ノーベル経済学賞受賞者ジョゼフ・スティグリッツ氏、ILO相次いで緊縮財政に懸念を表明 | 21世紀のケインジアンのブログ

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 どちらも、日本では殆ど報じられることもなかった記事ですが、現在の先進国における緊縮財政ブームがもたらす悲惨な結果を予告している重要な記事だと思います。デフレ状況において景気引き締め策である緊縮財政を採ればどうなるのかは80年前の世界大恐慌が示しており、そしてそれがどのようにして回復したかも、その歴史が示している。緊縮財政=財政再建ではない。というイロハのイをもう一度思い出して経済運営にあたらなければならない。

ILO “緊縮財政が雇用に影響” 4月30日 8時31分

 ILO=国際労働機関は、29日、世界の労働市場に関する年次報告書を公表し、信用不安に揺れるヨーロッパを中心とした先進国の緊縮財政が、雇用の回復に悪影響を及ぼすとして警鐘を鳴らしています。


 報告書の中でILOは、世界の労働市場の現状について、2008年に起きた世界的な金融危機の前と比べて、およそ5000万人分の雇用が依然として、失われたままだとしています。そして、世界経済の回復傾向にもかかわらず、雇用の面では近い将来にわたって回復の兆しが見えないと指摘しています。



 さらに、ユーロ圏の各国をはじめ、多くの先進国が優先的な政策として緊縮財政や労働市場改革を進めていること、信用不安の余波でヨーロッパを中心に中小企業が資金繰りに苦しみ、雇用を増やせない状況にあることなどから、「世界の労働市場に、新たな危機が起きつつある」と結論づけています。


 そのうえで報告書は、公共投資や社会保障への支出を適切に増やすことなどを通じて、来年にかけて先進国で合わせて200万人規模の雇用を生み出せるとして、緊縮策一辺倒の政策に警鐘を鳴らしています(NHK)

スティグリッツ教授:欧州の緊縮策は「自殺」への処方箋



 4月26日(ブルームバーグ):ノーベル経済学賞受賞者で米コロンビア大学教授のジョゼフ・スティグリッツ氏は、欧州大陸は緊縮策に重点的に取り組むことで「自殺」に向かっており、「悲惨な」状況にあると指摘した。 



 スティグリッツ氏(69)は26日にウィーンで記者団に対し、「いかなる大国でもこれまでに緊縮プログラムが成功したケースはない」と述べ、「欧州のアプローチは間違いなく成功の見込みが最も薄いものだ。欧州は自殺に向かっていると思う」と語った。 


 欧州連合(EU)27カ国はソブリン債危機の中で総額4500億ユーロ(約48兆円)の緊縮措置を実行している。一方で各国政府が財政赤字の穴埋めや財政危機に陥る他の加盟国の救済資金拠出で借り入れを増やしたことから、ユーロ圏全体の債務は昨年、単一通貨導入以降で最高水準に達した。 


 スティグリッツ氏はギリシャが欧州で緊縮策を導入している一部にすぎないなら当局は無視でき得ると述べた上で「だが英国やフランスなどの国が緊縮策を取れば、共同で緊縮策を講じるようなものであり、それに伴う経済的な影響は悲惨なものになろう」と予想同氏はまた、ユーロ圏首脳は「緊縮策それ自体では機能せず、経済成長が必要であることを理解している」ものの何の行動も伴っていないとし、昨年12月に実行に合意したのはユーロの死を確実にする処方箋だと述べた。