高利回りをうたう一方、為替次第で大きな損失が出る危険性がある「為替連動仕組み債」を巡って、金融機関と投資家の法的な争いが増える可能性が高まっている。
一昨年10月、大阪高裁は、この仕組み債について「一般投資家がリスク判断するのは著しく困難」と商品の難解さを理由に野村証券と投資家との契約を無効とする判決を下した。
デリバティブの一種である仕組み債は地方自治体、中小企業、大口個人投資家など幅広く保有しており、この判決は影響を広げそうである。
この手の商品はリスクの対象を豪ドルや日経平均など、いろいろとアレンジしたものがあり、野村証券が仕組み債を売りまくっていた当時、私もある野村證券の支店幹部から「今の野村の利益の9割は仕組み債を中心とする債券から生まれていて、株式からは1割しかない」と聞いたことがある。それこそ、野村をあげて売りまくっていた。(仕組み債人気は過熱し、他の証券会社や銀行まで野村ほど熱心ではなかったが、セールスしていた)。
私もこの仕組み債について、ある野村證券の支店幹部から説明を聞いたことがあるが、これが実はハイリスク・ハイリターンの商品であることが分かるまでには少々、時間がかかった。デリバティブの知識のない投資家にあのセールストークで売り込んでいるとすれば、被害者はかなりのものになるだろう。
神戸市始め24の地方自治体で430億円保有していることが分かっているが、それ以外にも意外に多くの企業や投資家が保有している可能性もあり、その多くが大きな含み損を抱えていると思われる。また、銀行でも為替連動型預金なるものを発売しているだけに、今後の動向に注意が必要だろう。素人は近づかないほうがいい。