このような記事が一般紙にも載るようになってきました。 | 21世紀のケインジアンのブログ

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日本国債の暴落の可能性が囁かれるようになっていますが、日経では何度かこのような記事は見たが、とうとう一般紙にもこのような記事が載るようになったのだなあとため息が出た。


ただし、記事にある三菱東京UFJ銀行が「危機管理計画」を初めて作ったことがわかった。という部分は事実に反する。日本の大手銀行は既に日本国債の価格が下落する可能性が高いと判断し、東京三菱も含め大手銀行は保有国債の平均残存年数を少なくする売買を行っていて、4年前と比べて3.5年から2.6年と短縮化しているからである。

 このように保有国債の平均残存年数を短くしたのは、償還までの期間が短いと利回りが変動しても元本価格の変動率が低いため、リスクを減らすことができるからだ。つまり、日本国債の暴落リスクへの備えを行っているということである。


三菱東京UFJ銀行の計画では日本の経常収支を非常に重要視している。計画では貿易赤字や海外収益の目減りなどで2016年にも経常収支が赤字になる可能性があるとしている。このため、2016年に近づくと国債の信用が落ちて格付けが下がり、10年ものの長期国債の金利が現在の約1%から3.5%に上がる恐れもあると想定している。三菱東京UFJ銀行の計画では、金利が急騰した場合、期間10年以上の長期国債約3兆円をできるだけ売却し、期間1年以内の短期国債に買い替えることとなっている。


また、他の大手銀行も警戒を強めており、約4兆円の国債を持つりそな銀行は、価格が下落して一定規模の含み損が出た場合は償還まで持つつもりのない国債約2.5兆円分から売却する。みずほコーポレート銀行は国債価格が下がりそうな時は、損失に歯止めをかける金融取引をした上で、数兆円規模の中期国債を売却することもあるという。


現実的には、国債先物の空売りの仕掛けで日本国債の暴落を狙っているヘッジファンドも少なからずある。銀行の国債売買セクションでは国債の下げには極めて神経質になっており、マーケットが開いている間中、国債の価格が表示されるモニターをにらめっこして、予期せぬ大きな下げがあった場合、上記のように銀行得意の横並び体質で、各銀行が一斉に国債を売却にかかり、暴落する可能性は否定できない。イメージでいうと、富士川の合戦で、平家が水鳥が飛び立つ音に驚いて一斉に逃げ散ったようにである。その場合、そのような大量の国債売りの買い手は現れないだろうから、現実的には、マーケットで唯一の買い手となるであろう日銀の「危機管理計画」が絶対に必要だ。


 数年後の国債急落を想定 三菱UFJ銀が危機シナリオ

銀行最大手の三菱東京UFJ銀行が日本国債の価格急落に備えた「危機管理計画」を初めて作ったことがわかった。数年後に価格が急落(金利が急騰)して金利が数%にはね上がり、損を少なくするために短期間に数兆円の国債を売らざるを得なくなることもある、としている。国債の有力な買い手がいよいよ「急落シナリオ」を想定し始めた。

 日本政府の借金総額は約1千兆円あり、このうち国債を発行して投資家から借りているのは約750兆円(昨年9月末時点、日本銀行調べ)。国債の9割超は国内で買われ、4割を銀行が持っている。とくに三菱東京UFJはゆうちょ銀行を除いて最大の約42兆円を持ち、国債を売買する債券市場への影響力が大きい。

 計画は昨年末にまとまった。日本の経済成長率や経常収支、為替など30指標をチェックし、国債急落につながる変化があれば損失を軽くするために売却などの対応をとる。(2月2日 朝日新聞)