結果的に大誤報となった産経新聞の「江沢民前国家主席死去」の号外  大マスコミの異様な姿勢 | 21世紀のケインジアンのブログ

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驚いた!死亡説・重病説が流れて3ヶ月。姿を見せなかった江沢民前国家主席が公の場に。唯一、死亡説を報道していたフジ・サンケイグループまでが報じているので間違いないだろう。



今回のことで、特筆したいのは、フジ・サンケイグループが大誤報したことではない。「江沢民前国家主席死去」という非常に微妙ではあるが、世界を揺るがすようなことを、かつて北京市支局を閉鎖された産経新聞以外のほとんどの大マスコミが中国の顔色をうかがっていて、先走ったことを書いて中国の当局から中国国内での報道にイヤガラセをされることを恐れて沈黙をしたままという大マスコミの異様な構図である。そして、このことは中国で起きた重要な事件などを日本のマスコミが果たして正しく報道できるのかどうかという大きな疑問を投げかけた一件と言えよう。読売新聞も肝心な時には黙っておいて、いざ、江沢民が出てくると産経新聞を叩いているが、そんな資格はないと言いたい。


産経、江沢民氏死去報道を誤報と認めおわび

産経新聞社は9日、中国の江沢民・前国家主席の死去を巡る報道に誤りがあったとして、自社のサイト「MSN産経ニュース」に「見出しと記事を取り消し、おわびします」とする記事を掲載した。

同社は7月7日、同サイトや関西で発行する夕刊で、「江沢民前国家主席が6日夕、北京で死去したことが分かった」と報じていた。

2011年10月9日18時40分 読売新聞)



 7月の初めに死亡説・重病説が流れた江沢民前国家主席。その後、いろんな説が流れた。私も、この件について原稿を書いていたのだが、結果的には外れた。しかし、これをこのままボツにするのはもったいないと思うので、今後どうなるのかという視点の参考にしてもらえればと思う。江沢民前国家主席は前国家主席といっても未だに中国では胡錦濤国家主席をトップとする改革派と相対する二大派閥の保守派のドンである。次期トップと言われる習近平副主席の後ろ盾とも言われており、中国の権力闘争のど真ん中にいる。この人物が生きているのと死んでいるのでは、中国の次期首脳人事が大きく変わってくるほどの影響がある。引き続き世界がその動向を注目しているのだ。


http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20111009-00000191-fnn-int

江沢民前主席が公の場に=重病説払拭、影響力示す―辛亥革命100年大会・中国

時事通信 10月9日(日)10時39分配信

 【北京時事】重病説が取り沙汰されていた中国の江沢民前国家主席(85)が9日午前、北京の人民大会堂で行われた辛亥革命100周年記念大会に出席した。健在ぶりをアピールし、共産党指導部内での影響力を誇示した。
 江氏は、人民大会堂ステージ中央に並んだ最高指導者のうち、胡錦濤国家主席に次ぐ「序列2位」で登場。付き添いを伴ったが、笑顔で右手を挙げる場面もあり、表情や足取りはしっかりしていた。演説が終わった胡氏と握手した。
 江氏をめぐっては昨年末、上海での京劇鑑賞が報じられて以降、公の場に姿を見せていなかった。今年71日の共産党創設90周年祝賀大会にも欠席したことから、香港メディアなどは「死去した」と報じ、国営新華社通信がそれを否定するなど情報が錯綜(さくそう)し、その動向が注目されていた。

  以下は、結果的に外れた私の原稿です。 

唯一北京市支局を閉鎖された産経新聞だけがスクープしたのか?

そもそも世界を震撼させる特大ニュースだが日本のマスコミの扱いには驚かされる。産経新聞以外は「死亡」を報道しない。という異様な状態である。 

 <江沢民前国家主席が死去/今後の日中関係にも影響か>
 http://sankei.jp.msn.com/world/news/110707/chn11070709430005-n1.htm
 <中国の江沢民前国家主席が7月6日夕、北京で死去したことが7日分かった。日中関係筋が明らかにした。84歳だった。遺体は北京市内の人民解放軍総医院(301病院)に安置されていると見られる。関係者は「脳死」と話している。> <関係者は「脳死」と話している。>という一節を入れたのが重要だ。立場によってはまだ生きているという解釈もできるからだ。

それにしても、中国の権力を争う二つの派閥の一つ保守派・太子党派のドンで反日の親分である江沢民前国家主席が死去するということは、今後、中国を揺るがす大事件であるにもかかわらず、不思議にも産経新聞以外のマスコミは遠巻きに見るような様子で踏み込んだ報道をしない。

  朝日新聞がその翌日になってようやく書いたが、言葉を選んで慎重に、である。






  他のほとんどの大マスコミも結局はこういうことなのではないだろうか。中国の顔色をうかがっていて、先走ったことを書いて中国国内での報道にイヤガラセをされることを恐れているのである。それに加えて記者クラブ体質が各紙の「青信号みんなで止まれば怖くない」を生み出している。
 唯一それを破っているのがかつて北京市支局を閉鎖された産経新聞だけということがそのことを象徴しているといえるでではないだろうか。

 <江沢民前国家主席が危篤/数日中に重大発表との情報も>
 http://www.asahi.com/international/update/0708/TKY201107070766.html
 <中国の江沢民(チアン・ツォーミン)前国家主席(84)が危篤に陥った。複数の外交筋や中国筋が明らかにした。中国国営の新華社通信は7日、一部メディアが報じた死亡説を「流言」と否定したが、中国外務省は同日の定例会見で、江氏の容体について確認を避けた。数日中に重大発表があるとの情報もある。
 関係筋の情報を総合すると江氏は複数の持病を患っているとされ、7日までに病状が悪化。深刻な状態に陥った。生命維持装置で延命措置がとられているとの情報もある。江氏の家族は延命措置の停止に同意したが、中国共産党指導部の政治局常務委員会のメンバー9人のうち、賀国強(ホー・クオチアン)氏が外遊中のため、党が対処方針の最終決断を先送りしている、との見方もある。>
  <中国筋によると、中国政府は6日、閣僚級の幹部に出張を控える禁足令を出し、中国メディアに対しては、江氏の死亡を報じる際のガイドラインを通達。こうした動きを見た香港や日本などの一部メディアが6日から7日にかけて、江氏の死亡を報じ、ネット上などでも死亡説が広がった。>