ここ最近、続けて米国債金利が大幅上昇し、アメリカの債券市場の神様と呼ばれている大御所であるビル・グロスが「債券の30年間続いた強気相場が終わった。」とのコメントを出した。
この背景としては、そもそも超巨額の米国債の発行ラッシュで需給が悪いところに、先日、健康保険法案が可決されて、更なる米国債の増発が懸念されたからだ。
世界の債券市場は、2008年秋以降の世界同時不況に対処するために
殆んどの先進国が金利をゼロ近くまで下げた結果、債券価格は大幅に
上昇した。(債券価格が上昇すると、金利は下がる、という関係にありま す)
しかし、財政出動のための資金手当てで各国の国債発行が大幅に増える
なかで、ギリシャ等の財政状況を始めとする経済のファンタメンタルズ
の悪い国の債券が大幅に売られて債券価格が暴落したため、巨大債券投信であるグロソブなど日本の投資家の大好きな、外国債券ファンドの価格も下がっている。
外国債券ファンドは、投資家の求める毎月の分配金を捻出するために、
アメリカやドイツなどの低金利国の国債を売って、ギリシャやポルトガル
等の金利が高い低格付け国の債券を好んで買っていたからだ。
そして南欧危機がシビアになった後は、金利が高い低格付け国債を損を
承知で売って、金利が低いけれども格付けの高い米国債を買っている。
そこに、今回のアメリカ債券市場の状況の変化が起きたのだ。
外国債券ファンドは低格付け債で損を出して、その上、米国債でも損をする
という往復ビンタをくった格好になった。
債券は、一般に、確定利回りの利息を安定的に受取れるために、リスクが低いとして投資されるが、相場で価格が変動する以上、投資に相応しい時期と言うものがある。
世界の債券市場は、1980年代初頭の世界的なインフレの時期に、米国債でも約20%の高利率(債券価格は大暴落)だった時から、(日本でも10%近い金利だった)30年近く世界的な債券の強気相場が延々と続いてきた。
言うならば、日経平均に例えると、1989年末のバブル崩壊前夜の状況にあることをユメユメ忘れてはならない。