値決め

「値決めは経営である」  

この言葉は稲盛和夫氏の有名な言葉であり、氏の経営思想をまとめた「京セラ フィロソフィ」に強く語られている。  

「値決めは経営である」というのは、経営においては非常に重要な項目だと私は考えています。実は、フィロソフィの中にこの項目を入れた当時は、それほど重要なことだとは考えていませんでした。  

しかし、その後こんにちに至るまで、値決めはたいへん重要なことであるとだんだん分かってきたのです。(稲盛和夫)  

製造会社にせよ、内装会社にせよ、卸にせよ、小売店にせよ、値決めは難しい。  

いやいや、会社というのは常に競合会社があり、つねにお客様の納得価格があるのだ。  

お客様(取引様)から、「もっと安くしたら買うのに」とか、「他(社)はもっと安くするのに」とか言われる。  

営業は焦ってついつい確かめもせず、慌てふためき言われたままに値段を安くしてしまう。  

いつい原価計算からの利益を考えて「安易に」安くしてしまうのだ。  

しかし、会社というものは設備もかかり、経費がかかっているのだ。その人の給料だってそれ以上の支出というものが会社にはかかっている。そんなことも頭になくて安易に安くしてしまえば、売り上げだけは上がるだろうが、やっていけなくなる。  

なんでそんなに安くしたのか、と聞くと  

「これぐらいにしなくては注文(買上げ)がないのです」と平気で言ってしまう。  

自分の範囲でしか考えられない社員のレベルとは、そんなものなのだ。  

守りと攻め。  

「つまり、値決めとは、お客様が喜んで買ってくれる最高(価格)の値段を決めるということなのです」(稲盛和夫)

 これ以下ならいくらでも注文(買上げ)がある。  

これ以上なら注文(買上げ)が逃げてしまう。  

その一点を射止めなければならない。  

の一点を見抜くためには、心血を注いでお客様と値段の交渉を行わなければならないのだ。お客様の言われることは、駆け引きなのか事実なのか。  

それはまさに真剣勝負であって、君みたいに、相手の言葉を鵜呑みにして泡を食らって、「その値段でなければ売れませんでした」などと云っているようではどうにもならないではないか。  

そう稲盛和夫は激しく叱るのである。  

スリランカでの宝石買い付け交渉。 

こんな真剣勝負はない。 

一瞬の決断しかない。

値決め










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下町ロケット

る日、宝石のボランタリーチェーンからこの本が突然に送られてきた。しばしば送られてくることがあったし、マーケティングやマネージメントに関係する本が基本なので、ちょっと拍子抜けした。

帯に「第145回直木賞受賞作」  

と書いてある。  

えっ?直木賞受賞作が面白かったから選んでもらったのかなという率直な感想。  

正直、僕の読書人生では小説はあまり要らない(フィクションの世界に付き合うほど、残された時間はないのだ)    

でもぐんぐんと引き込まれていって、もう次に読む時間を確保するのがもどかしいぐらいに面白い。ジェットコースターの快適さがボクにはわからないが、読書のジェットコースターとはこんなことを云うのだ。  

製作所の社長・佃航平が主人公である。  

下町の部品制作の中小企業が大手の思惑と戦略に翻弄される。  

そして苦しんだ挙句に、今度は一転、会社がゆうゆうとしばらくはやっていけるだけの特許使用金額を提示される。  

会社の安全性とひきかえに自社の技術を引き渡そうか。  

あるいは、自分の夢を叶えるために違う形の商品提供を行うか。  

そのうち、社員までが騒ぎ出す。  

社長の夢かどうか知らんが、会社の安定性を考えるのが社長の仕事ではないのか。  

こにつけこもうとする取引先会社。  

会社は存続してこそ意義がある。  

社長と言うのはそこから絶対に逃げられない。  

しかし、男として勝負しなければならない時もあるだろう。  

勝負してはいけないこともあるだろう。  

社長としての決断。男としての決断。  

話としては出来すぎた流れもなくはないが、男の夢を乗せていくにはそんなささやかな演出も許すこともできる。  

ぜひぜひ、407ページの心地よいジェットコースターを体験いただきたい。  

小説もたまにはいいじゃないか。  

理屈なんかくそっくらえである。

下町ロケット










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人事評価

8月29日の日本経済新聞に。和食レストランチェーンのサガミのことが紹介されていた。   

長と本社管理職の約200人を対象に、上司だけでなく、同僚や部下からも働きぶりの評価を受ける

「360度人事評価」を導入した。  

アルバイトを含めた多方面の評価を使い、より公正な人事評価をつなげるのが狙いだという。  

時どきこの部下から受ける人事評価のニュースを見るたびに、かつてそれを導入していた企業は今でもうまく運用できているのだろか、ということが気になるのだ。  

は、ミムラも20年ほど前にこの「部下からの評価」を導入したことがある。  

しかし結局、数年後にその旗を降ろした。上司が、部下から評価されるには部下のレベルが低いと抵抗したからだ。  

今でもこの「部下からの評価」というのは、やってみたいし、いいシステムだと思っている。  

その時はまだボクは幹部でしかなく、経営者ではなかったのだが、いま経営者としてもなかなか運用が難しいだろうな、と感じているのはその時の体験があるからだ。  

にが難しいかというと、評価をするというのはある程度組織の「価値観」を揃えておく必要があるということ。  

そして、管理職とメンバーでは要求されるレベルが違うことがしばしば違うのが、普通の企業だ。経営者もメンバーにはニコニコしていても、裏に回れば管理職には相当厳しいはずだ。そのような企業の場合に、果たしてメンバーが管理職のあるべき姿を正確に理解できるのだろうか、という心配がある。  

一番に面倒なのは、心でよく思っていない上司に対して、「それらしい」マイナスポイントをつけたりするのだ。上司は「好き嫌い」を発揮してはならないのが基本(だと思っている)だが、メンバーからはどうしても好き嫌いで上司を見てしまうことが多々あろうかと思う。  

どんな価値観があろうがなかろうか、評価は評価だ。  

メンバーを気持ちよく仕事をさせていないというのは、大いなる事実だ。  

という広い意味での会社の価値観を共有するにはかなり意味がある。  

かし、得てして部下から評価される上司は、かなり(当たり前だが)嫌がる。  

あんまり考えていないような部下に評価されるのはたまらんからだ。  

それも、また日ごろの自分の育成の評価と言えばそういえよう。  

私も仮に社員から社長の評価を受けるとなると、これは困るだろう。  

社長の仕事なんか絶対に分かってくれんだろうな、という甘えと自負もあるし、そんな大そうな社長でないという自分理解もあるからだ。  

価値観を揃える、ということがどれだけいざとなると大事か。  

企業や組織での一番シンプルな問題はそこであるのだ。そうでなくてどうやって組織のモチベーションがあがるだろうか。  

昔から「部下評価」を導入している企業がどうなっているのか、興味があるし、いつかミムラもそんなことが再び出来るような会社になってみたい。  

でも、そんなときは社長への評価も辞さないという強い決意も要るだろう。  

しかし上司の本分はメンバーへのサポートなのだ。  

そのサポートがどれだけ浸透しているか、を知るには部下からの評価でしかない。  

上司の仕事を勘違いしている人は、上からの目線しかないのだ。  

何度も言うが、上司はメンバーがいかに働きやすい環境を支えてサポートするか、どうかなのだ。それが出来ている企業は強い。20年前のミムラはまったくそんな企業ではなかった。  

素直に評価をする側とされる側。  

どんなに素晴らしい会社になるだろうか。

人事評価










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優しい会社

会にはそれぞれの時代があり、そこにそれぞれの世代がいる。  

青年期、壮年期、中年期、老年期・・・それぞれがそれぞれの価値観で活躍し、またそれぞれの価値観を捨てないでいる。  

ューリッツァー賞を受賞している進化生物学者のジャレド・ダイアモンドは、人類1万3000年の歴史上に存在した文明を調査した。  

それによると崩壊する文明と、存続する文明とは何が違うのかを分析した結果をリポートしている。  

の結果、文明が存続できるかどうかの分水嶺は、戦争でも、疫病でもなく、時代が変わる中で「捨てるべき価値観を捨て、引き継ぐべき価値観を引き継ぎ、新しい価値観を生み出せるかどうか」であるとの結論に至ったとのことだ。

 つまり、必要ないものを壊しながら、新しい価値観を生み出す準備をしなければ、文明は崩壊してしまう。まさに、その時期に私たちは生きているのである。(本文より)  

者は日本の過去70年間をひとつのサイクル〈春夏秋冬〉であると考え、それぞれの時代に活躍した人間の価値観を分かりやすく取り上げ、それらは決して単に古いということではなく、それぞれの時代の役割だったのだと表現している。  ベテランは若い世代を「わかってない」などと否定しては新しい文明は生まれないし、若い世代はベテランを「古い」などと否定しては残すべき文明を引き継ぐことができない。まさに「春夏秋冬」がひとつの組織や社会に脈々と共存するからこそ強くなれる。  

本の背景となる考え方となったのは、アメリカの歴史家のNeil Howe,William Straussが打ち立てた4世代「70年説」が一つの歴史サイクルをつくっているという概念である。彼らは16世紀に清教徒革命で米大陸にメイフラワー号で人々が渡って来て以来、16世代を詳細に分析した。 

その結果、歴史の流れを高い精度で予測できることを主張した。  

当時の副大統領であったアル・ゴアは、この歴史観に深く感銘し、書籍を議員全員に配布したという。  

どと、難しいことを書いてきたが、本書はとても軽快な小説となっていて、とてもこんな結論に至るような気にさえさせないような面白さがある。  

そして、最後の解説で考えさせられる、という仕組みになっている。  

なるほど、全体のコーディネートをいま旬のマーケッターの神田昌典。  

原案と本文の読みやすさをカリスマ放送作家である安達元一氏が担当している。  

この安達氏の手がけた番組を見て納得した。  

「踊る!さんま御殿」「奇跡体験!アンビリバボー」「SMAP x SMAP」「とんねるずのみなさんのおかげでした」「ドラえもん」というから恐れ入った次第であるし、なるほどさすがと思わざるを得ない。  

ぜひ読まれたい。










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金田浩一呂

8月29日の産経新聞のコラム「産経抄」の話しにほのぼのとした人間味のあることが書いてあったのでご紹介をしたい。  

ほのぼのといっても、ある人が亡くなったという話だ。  金田浩一呂。コラムニストの先輩記者であるらしい。  

その人のことをどうしても書いておきたい、とい思わせるような人物であったのだということが伝わってくる。  

引用してみよう。

2011.8.29 02:38

 先月20日に、先輩記者の一人が79歳でひっそりと亡くなった。「ひっそり」というのは、生前葬儀の手配を自分で済ませ、娘さんに「誰にも知らせるな」と厳命していたからだ。それではあんまりと先週末、友人たちが「天国へ送る会」を開いた。

 ▼「敏腕」とはお世辞にもいえない記者だった。駆け出しの支局時代、せっかくのスクープを間違えてライバル社に電話送稿し、感謝された逸話(いつわ)を残す。

 ▼文芸記者になってすぐに担当したのが、阿川弘之さんだ。長女でエッセイストの佐和子さんは、「あー」という電話の前置きの声が懐かしいという。しばしば「私はどこに電話しとるんでしょうか」と情けない声が続く。別の日には、自宅と間違えたのか「今日はうちでメシを食う」の一言で切ってしまう。

 ▼故遠藤周作さんとの交遊も文壇では有名だった。「婚前交渉とかしとるんですか」。長男でフジテレビ常務の龍之介さんは30年前、たまたま婚約者を交えて4人でお茶を飲んでいたとき、いきなり切り出されて仰天する。「父親のおれでも聞いとらんのに」。遠藤さんはくやしがった。

 ▼よく家を追い出され、遠藤宅で食事をごちそうになった。遠藤さんに勧められて修道会が発行する月刊誌に連載した『恐妻家日記』は、後に本になる。神と結婚したシスターたちに大好評だった。「人間と結婚しなくてよかった」と胸をなでおろしたという。

 ▼その奥さんをすでに見送り、今は桜の木の下で仲良く眠っている。金田浩一呂。「かねやん」の愛称で、夕刊フジに秀逸な書評と軽妙なエッセーを長く書いてきた。親しい人を小欄で取り上げるのは気が引けるけれど、愛すべき人柄を紹介せずにはいられない。                      http://sankei.jp.msn.com/life/news

/110829/trd11082902390000-n1.htm  

遠藤周作氏と気が合ったのも、実にわかる。  

死んで後に本当にその人の評価が分かるものだ。  

いま目の前の評価なんか、くそっくらえじゃないか。










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