キューバ建国の父であり
祖国革命の英雄である
フィデル・カストロ。
彼らは亡命先のメキシコから
同志チェ・ゲバラたち82名を
率いて「グラマン号」という
ヨットに身を寄せ合って
密かにキューバ西部の海岸に上陸した。
しかし、
彼らの行動はすべて政権側に
洩れていた。
一説によると
彼ら82名を全滅させるために
数千もの政権側兵士が待ち伏せていたという。
数千もの襲撃に
彼らは海岸から
サトウキビ畑に身を隠し
逃げ惑った。
しかし
革命部隊はそのほとんどが
銃撃で死亡し、
わずか数名しか残らなかった。
凄まじい銃撃に
あのチェ・ゲバラは
銃を放り出して逃げた。
しかし、
カストロはゲバラに対して
貴重な銃を投げ出すとは
なんたることだ。
戻って取ってこい
と怒ったという。
全滅といっていいほどの
最中にあっても
まだカストロの
心の中には「つぎ」が
その瞬間に決して
燃え尽きることなく
はっきりと燃えたぎっていたのだ。
その数名しか残っていなかった
サトウキビ畑で
カストロは演説を始めた。
「今から、革命を開始する」
命からがら生き残った革命兵士も
「いま、このサトウキビ畑も包囲されているというのにこの男はいったいなんてことを言うんだ」
と唖然としたという。
そして
数年後に
カストロは政権を倒し
革命を成就させる。
そうなると
カストロは
妄言を吐いたのではなく
ビジョンを語ったのだった。
(-村上龍の質問術-)
平時のビジョンなどとは
単なる計画かもしれない。
少しぐらいの悩ましさや
辛さなど愚痴かも知れない。
どう自分の生き様を
飾るか。
本当にいま
僕や
あなたは
サトウキビ畑なのか。
人生には
自分自身の革命を宣言し
心の銃を取るべき時が
なんどかあるだろう。
そう思い出せたら
いい話だと思う。
