ある日の都内某所。  

すっかり暮れてしまった夜空を見上げながら、ワシもまた途方にくれてしまっていたのだ。  

り合いと夕食を食べに行く元気もなかった。最近、頭の中が格闘を始めておる。「明日の勇気」VS「気落ちするこの頃」なのであるが、「明日の勇気」が、毎日ダウン寸前ゴングに救われている、という有様だ。  

もうひとつには、さっきまで乗っていた新幹線で読んでいた本が、300ページ読んでも読んでも、なかなか終わらなくて、これもダウン寸前ゴング東京駅に救われたのであった。  

とりで食べたいもの無く、かといってコンビニも嫌だ。じゃぁ、どうしたら気が済むのよ!と駄々をこねる幼稚園児のようだったのだ。そこでふと見上げると「S水産」!(写真にバッチリ写っているではないか、ばか)  

おおお!これが世に低予算居酒屋として聞こえる噂のS水産か。ワシにはこの低予算酒屋には二つの「知りたいこと」があったからだ。一つは、本当に魚肉ソーセージがメニューにあって、それも50円なのか?  

もう一つは、ワシの先生から聞いた、「お客が愚痴や不満ばっかり大声でしゃべるから、もう行きたくない!」という、素晴らしい社会勉強であるからだ。  

たして、本当に50円の魚肉ソーセージがあったのだ。  

しかし、なにが嬉しくてこんなところでワシは魚肉ソーセージを肴にビールを飲んでおるのだ。家でひとり黙々と口にする日陰の肴が、こんなに晴れがましい舞台に出ていいもんのなのであろうか、そこを国民に問いたい。

 ールで料理を運んだり、厨房でわさわさと働くスタッフは、みんな中国語でやりとりしている。すると、後ろの方で「あいつは分かってねぇんだよ、ナロメー!」と初老の男が文句を言い出した。おおお、これが噂に聞いたこの店名物の「愚痴と憂さ」なのだ。いよいよ、舞台と役者は揃ってきたぞ。

 ばらくすると、ワシの近くのカウンターには、20代後半と思われる女性二人連れがやってきて、鍋をつつきながらお互いの身の上を語りだした(かんじ)。見るからに、「ちょっと聞いて欲しいことがあるの」オーラをバンバンに出しながら入ってきた女性たちなのだ。いいぞ、いいぞ。みんな場所をわきまえているではないか。

 0円魚肉ソーセージと憂さ晴らし。  

神社でお祓いをするかのごとく、ニッポン国民はきょうもしみじみと居酒屋でオノレの思いを吐き出していくのであった。  

翌朝、少し早くホテルを出て靖国神社まで足を伸ばしてみる。突き抜けるような青空の朝だ。 










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広島県福山市 ジュエリー&ウォッチ ミムラ
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