尾道坂道書店事件簿  児玉憲宗 本の雑誌社

はははは。 いやいや、驚いたの驚かんの、なんの。

かし、一緒のショッピングセンターで働いていた、書店店長がなんと、なんと、本を出した!玉憲宗。  

は広島県東部にチェーン店を拡げる書店「啓文社」に勤める重度の活字中毒者である。

月の初めに、本当にバッタリと、何年かぶりで彼のお店で逢ったのだけども、車椅子の彼は相変わらずの「ニカニカ顔」でワシに話しかけて来た。

 は「悪性リンパ種」という大病に罹っていたので、ずっっと気になっていただけにとても心配していたのだ。そして、また後で述べるけども何年か前のワシには彼の「上っ面で心配な」経過だけが無責任に入っていただけに、すっごく心配しておったのだ。  

むらさん!」といわれて振り向いたその向こうに児玉さんの顔が見えたときの、驚きと心底の喜びは口には言い表せないものだったのだ。わからんだろうな。嬉しかったなぁ。  

くつかの社会人らしいまともな、間の抜けた世間話をした後で、ワシはいつも彼に逢ったときにきまって訊く質問をやっぱりしていた。「なんか、おすすめの本はないか、どうか、どんなんだ」。活字中毒者はこの質問をしないではおかれない。う~ん、と少し間延びした声を出しながら彼はいささか遠慮がちにこう言った。

 「実はね、こんどボクの本が出るんよ。」  

ょっと、まちなさい。ちょっと、待ちなさい。そんなことは訊いていないし、どういうことか即座に理解できん。ワシは、「えっ?えっ?えっ?」と訊き返した。そりゃそうだろう。20年近く前とはいえ、同じショッピングセンターの同じ店長仲間として、オモシロおかしく仕事の話をいつもグダグダとしていた、「あの児玉さん」が、本を出すことになったなんて。なんてこった!  

うか、そうか、今の世間には「自主出版」という趣味の範囲で本を出すのがブームだそうだから、変人・児玉の人生には、そんな手もあろうかと、その時はとりあえず納得した。

 「む~。それは地方の小さな出版社からだすのかな。それとも東京のそれなりの出版社からだすのかな。どうなんだ、そこんとこキチンと答えなさい」とワシは問い詰めた。  

ダマさんは、また斜め45℃を見つめながら、また「う~ん。けっこう名の知れた出版社だ」みたいなことをのたまうのだ。「みむらさんと仕事をしていた頃のキャスパの話も書いてるから」と人を喜ばすような話をした後で、「2月の18日に出るから」と言われ、「そうか、とりあえず買うから」みたいな話をして別れた。  

の後の電話でのやりとりで(それも何年ぶりだろうか!)、「う~ん。どうも17日の発売になるらしい。ふょふょふょ。」とコダマさんは、電話口の向こうであのニカニカ顔を彷彿とさせながら伝えるのであった。  

うか、そうか。お見舞いのひとつも行ってないワシだ。快気祝いのつもりで一冊だけでもコダマさんの印税に協力をしてあげるか、という軽い気持ちで「啓文社」春日コア店にワシは2月17日に乗り込んでいったのだったのだった。 

 そして、ワシはそこで驚く!!(つづく)

東京は飯田橋に近い「秋田書店」。 秋田書店といえば、ワシらの世代では「少年チャンピオン」、すなわち(かどうか知らんけど)「ドカベン」や「少年刑事こまわりクン」で知られる大手マンガ出版社であるのだ。 日曜日の夜中にもかかわらず、不夜城のごとく明かりの絶えない本社ビルには、締め切りと格闘している編集者の愛と悲哀に満ち満ちておるのだ。










▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼


広島県福山市 ジュエリー&ウォッチ ミムラ
ウェブサイトはこちらから→http://www.j-mimura.co.jp/
Facebookページはこちら→https://www.facebook.com/mimura1913



▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼