日本におってはわからん不思議な地球の神秘さを感じることがある。  

スリランカのシーギリヤで見た巨大な岩の上に作られた城の跡もそうだった。これはまたいつか日を改めて書こうと思う。  

ワシがスリランカでなんだかんだとタイヘンな目に逢ったりしたのだが、何が一番辛かったと言って、「満月の日」ほど恐ろしくも辛い日はないのだ。  

スリランカでは「ポヤ・デー」と言って、月に一度の満月の日には過半数の仏教徒である国民はお寺にお参りに行くようになっている。  

この日は、官公庁や学校までもがお休みなのだ。  

それだけではない。

なんと月に一度の満月の日には、  

禁酒なのだ。  

これは法律であり、国民は(少なくとも外では)お酒を飲んではいけないことになっている。  

バンコクに移る直前、つまりスリランカ最後の日がこの「満月ポヤデー」に当たってしまった。  

最初は観念していたのだが、食事にもずいぶん美味しく慣れてしまい、なによりも暑さで身体中をかきむしりたいくらいにビールが欲しくなる。 最後の最後の日に、かわいいライオン・ビールとお別れかと思うとなおさら哀しみがこみ上げてくる。しかし、その日は満月。  

ワシはバンパイアのように満月を怨んだのだ。  

お昼ごはんを食べてるときもため息が出る。  

その落胆していた顔をワシはついつい出してしまったのだ。  

最後の日の夕方、もうしばらくして空港に移動するというとき、ワシらは最後の宝石のルースをああだこうだと言いなが評価をしていたときだった。

自分のショールームにワシらを招きいれたラビさんが気の利いた計らいをしてくれた。  

窓をすべて閉め、入り口に鍵を掛けて、知り合いのホテルのマネージャーに頼んでビールを調達してくれたのだ。  

ああ、うれしい。  

最高の計らいである。  

ビールを飲めるのも嬉しいけれど、ワシがビール大好き人間であることを知っててくれたラビさんが本当に勇気を出して調達してくれたのだ。  

そしてラビさんは、ワシらに氣を利かして自分も一緒に飲むのであった。  

申し訳ない。  

すまぬ、すまぬと片手で謝りながら、片手でグラスでぐいぐい行くワシであった。  

スリランカの満月の夜は、ワシを殺すに刃物は要らぬのじゃ。










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