最近あまりテレビを観ることがなくなったけども、 ちょくちょくハマッておるテレビ番組がある。  

 

「吉田類の酒場放浪記」なのだ。  

 

BS-TBS毎週月曜日 夜9時からという、なんともマニアックな番組である。

吉田類とかいう酒場詩人と称するオジサン(失礼)が、毎週関東の居酒屋をぶらりと尋ねて一人で嬉しそうに酒を飲み、肴をつまみながら主人と話をしていくのである。  

ただ、それだけと言えばそれだけの番組ではある。  

しかし、ある意味で人間という酔っ払いは己は分らなくともこんなにも嬉しそうにだらしなく、しかもテレビの前で、だいたい毎週毎週(笑)、情けないほどにヒャラヒャラと酔っ払えるもんである、という意味で面白い。  

このおススメの日本酒が辛口でいいですなぁ~といってはヘラヘラと飲み干し、いやいやこのタコの煮付けの味付けはたまりませんなぁ~といっては目じりを下げ、おやおやその鯨のさえずりはナンカうまそうじゃないですか~、といっては他のお客のをちょっと失礼して食べたりするのだ。  

特にコメントが鋭く洗練されているわけではなく、特に食通で料理に対して造詣が深いわけでもなく、ましてや食べ方に品を感じさせる素敵な中年なわけでもないのだ。   

むしろ、違うのだ。  

 

飲むと笑い方はどうみてもオカマみたいだし、食べながら口に添えた手にはモノをこぼすし、撮影を忘れてこのオジサンは真っ赤になってウシャウシャと呑んだくれるのだ。  

 

ただのオヤジなのだ。  

 

しかし、端正な顔立ちの芸能人が「食いしん坊」とか何とか「演じてみせる」のが常識であったこの手の番組としては、かえって新鮮さを感じさせるのだ。  

だから、驚くことに  

この番組はDVDになるわ、本になるわで、ワシみたいなアホな根強い視聴者がいることが証明されたのだ。  

ワシが見るところ男性以外の染色体を持つこのオヤジだが、それ以外は見ているオヤジたちも「ああ、ワシもきっとこんな風に呑んでいるにちがいない」という何とも言えぬ親近感を持ちながら見ておるのである。  

きっとあるオヤジなんかは「まぁ、嫌ねぇ。なんだかある意味みっともないわよね」などと風呂上りの頭にタオルをしたままでつぶやく家人を横に、

バカ野郎。世間のウサを晴らしに一人酒場に入る男の寂しさ。ふっきるようにあえてはしゃいで見せる男の哀愁がお前なんかにわかるもんか

 

などと口には出さねどつぶやきながら、そしてまた思うのだ。  

 

いやいや、  

俺様に限ってあんなにだらしなく呑んでるのではない。  

もっと毅然とした品性を保ちながら呑んでいるに違いない、と。  

 

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