今年のドラフトは、近年にないくらいに盛り上がってテレビでは全国中継までされた。どうやら来年はゴールデンでの中継もありうるというのだから、これには驚いた。 しかし、そのドラフト候補選手を指名するまでにどれだけのスカウトの苦労があるのかという「一端」がこの本で知ることになるのだ。
伝説となるだろうプロ野球スカウト 河西俊雄。
阪神タイガースから近鉄バファローズで40年間のスカウト人生で、我われの永遠の記憶に残る選手を発掘した男の生涯を書いた一冊だ。
藤田平、掛布雅之、阿波野秀幸、大石大二郎、野茂英雄、 中村紀洋・・・・。
我らを興奮のるつぼにまで昇華させた人材を発掘し、根気強く通い詰め、幸運にも交渉権を持った後は、また根気強く入団を迫っていく。
交渉権を持ったけれども入団に至ることがなかった選手。
また、親を口説きに口説いて強い信頼を得て子どもを預かったにも関わらず、2~3年で早々と球団から解雇されてしまい責任を重く感じることになった選手。
「ああ、あの子はプロ野球に誘わんほうが、あの子の人生においてはよかったんやなかろうかなぁ。」といつまでも解雇された選手の人生を氣にしていたという。
「入団時にもめた選手は、大成せん。」とも云ってたそうだ。
後年は、最も人気のない球団のひとつである「近鉄バファローズ」のスカウトということで、選手からの人気も薄く相当な苦労をしていた。それに加えてファンの注目を浴びて、かつ、契約金の予算に余裕がある球団との競合で、かつ、「逆指名」という制度でその苦労は並でなかったようだ。
河西がスカウティングで遺したノートから、広島カープの選手のコメントも紹介されている。
東出輝裕・投手(敦賀気比高校)
東出は甲子園で投手として先発したが、途中で二塁に変わった。打撃も線が細いと思われたが馬力も見せる。河西の評価は、
「理想的な一、二番打者。グラブさばきも抜群で、将来性十分。」
「ワシはお前を欲しいとは思わん。戦力になるとも思わん。球団が行けというから来ただけや。」と言って挑発したある高校生投手は、それまで大学進学志向で決めかねていた決断を「なにくそ」と反発して「いまに見とれ」と入団をすることにした。
河西は交渉を通してこの少年の性格を見抜いて、最後にイチかバチかの発言に出たのである。そしてそれが、功を奏したようだ。
ワシは小学生時代にこの大投手に心を奪われ、熱くテレビにしがみついたものだ。
ありがたい。
その男の名は、江夏豊。
入団後も何かと話しかけてくるスカウト河西を、江夏はうさんくさく思って遠ざけていた。しかし、江夏豊もそれなりの年齢になり、彼が自分の指名した選手のことを深く心配していたことをやっと分かったのだと言う。 「ゆっくり、あのおっさんと話をしてみたいな、と思うようになったんです。」 しかし、その時にもう河西はこの世にいなかったのだ。
FA選手ばかりで固めた今のタイガースの戦力を、天国からどう見ているだろうか。
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