ユニクロの柳井正社長がドラッカーに影響を受けたと言うことは聞いた(読んだ?)ことがあるのだけれど、どうやら筋金入りのドラカリアンだということがこの本を読むとよくわかった。
なにもドラッカーに影響を受けたユニクロ快進撃の秘密を知りたいなんて思うこともなく、経営者・柳井正としてのドラッカーの解釈を知りたくて購入したのだ。
しかし、しかし。
結局は、ユニクロの考え方をしっかりと発信してもらった感じ、当たり前か。
この本は2009年にNHK教育テレビ(誰が気づくか)で放送された「仕事学のすすめ
わがドラッカー流経営論」に柳井社長が出演した「伝説の番組」をあまりの反響にNHKがちゃっかりと書籍化したもの。
柳井社長がドラッカーに引き付けられるのは、「人を幸せにする経営」の原点にドラッカーがあるということを、言葉を替えて何度も書いているのだ。ドラッカーは実際に経済人としても活動し、日本の経営システムなども十二分に吸収していく中で、「企業はひとのためにある」という本質を深く指摘していると。
「ほとんどの経営学者は理論でばっさばさと切っていくだけで、そこには『人』が存在していない。でもドラッカーの経営理論の中心には『人』がいる。そこがなんといっても彼の著書の一番の魅力なんです」(柳井正)
読みながらすこしづつ違和感を感じてていたことが氷解していく。
つまり、5兆円企業にチャレンジしていこうとする経営者の冷徹さにも似た割りきりとのギャップである。しかし、何冊ものドラッカーを、何度も、何年かおきに、ノートを細かく取っていきながら勉強に勉強を重ねる経営者・柳井正は、まさに自らのバランスを取ろうとしているのだろうか。
「彼の著書は、なんのために私たちは商売をするのか、企業は社会においてどういう存在なのか、さらに人間の幸せとはいったい何であるのか、といった根源的な部分にまで深く追求している」 (柳井正)
巨大化する自社と人間経営の狭間に立って、恐らくどこの誰よりも何倍も柳井正は「経営とは」という命題を考えさせられるのだろう。もう金銭欲ではない経営者として、何のために経営者は存在して、何のために企業を成長させるのだろう、というテーマを考えてきた、その深き悩みのバイブルがドラッカーであったように推察するのだ。
だから、柳井はサラリーマン精神を徹底的に嫌う。
「すべての社員が経営者たれ」という、いっけん無茶苦茶に聞こえる激しいゲキを投げつけるのだ。
そのためには、「人生は有限であることを知れ」と柳井は書いている。
どれほどの人間が、それを真剣に考えているだろうか、と。
「成果をあげる者は仕事からスタートしない。時間からスタートする。
計画からスタートしない。時間が何にとられているかを明らかにすることからスタートする」
ドラッカー『経営者の条件』より
「企業は人を幸福にするための存在だ」(柳井)
しかし、他方でその企業も存在意義のある企業でなければ淘汰されるのは当然であるからこそドラッカーは繰り返し言うのである。
「企業は社会や経済の許しがあって存在している。有用かつ生産的な仕事をしているから存続を許されているにすぎない」
そうだ。
我われはかろうじて社会より存続を許されているにすぎないのだ。
利益がいくらあるのかどうだ、とはひと時の通過点でしかないだろう。
いつまでも企業が存続していく。
それは公器として社会から存続を許されてきたかろうじて証明できうる、しかし心もとない歴史であるのだろうと考えさせられずにはいられない。
ありがたい一冊だ。
かつてユニクロ全社員に配ったと言う教則本。
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