新刊としてはかなり話題の一冊だ。
ご存知か。
ケビン・メア。
元米国務省日本部長という要所にあったが、「沖縄の人々はゆすりとたかりの名人」と発言したとして罷免され、自ら国務省を去った男の一冊なのだ。
まず上の発言については共同通信の記者が「捏造」記事を書いたとメア氏は以前より反論しており、その内容を共同通信の記者がはっきりと証明立てていない現状では、「かなりの」正当性がメア氏にありそうだ。
いわれの無いデッチ上げ記事で更迭されたメア氏は、その反論をする機会も与えられず、とにかく日本国民との摩擦をさけたい上層部の意向で日本部長の座を追われた。しかるべき時期になったら、しかるべき地位に就けてやるから収めろ、と上司に言われたメア氏だが、彼は自らの潔白を証明するために辞職を決意。
と、した翌日に3・11東日本大震災が起きてしまった。
19年間に渡り日本に住み、妻も日本人であり、二人の子どもも日本人の血を引く。
そんな彼の脳裏によぎるのは、海軍の慣用句であった。
"ALL HANDS ON DECCK"
総員、甲板に集合せよ。
とりあえず私情を晴らすことは後回しにして、以後しばらくメア氏は米国の対日本救援作戦タスクフォースの担当者として、日本と米国の重要なコーディネーターとなった。日本人を家族に持つ男として、また同盟国の一員として長年日本に住み続けてきた一人として、いまこそ「総員」の一人に加わらなくてどうするのか、と言うのだ。
ここでは沖縄問題について、非常に多くのページが割かれている。
私はこのブログでは、その理論の是非を述べるつもりは無く、ただ興味を引く本の一冊であることの紹介という主眼を崩すつもりはない。
沖縄駐留基地の是非についてもメア氏はその理論を、自信たっぷりに展開している。そして文中で彼が何度も断っているように、「これは米国の総意であります」としているのだ。
彼が何よりもくどいほどにその重要性を説いているのが、対中国の防衛線なのだ。
日本人は、中国が太平洋に向けてどれだけの戦略を描いているかを素直に考えなければならない、と力説するのだ。たしかにベトナムと中国との間には大変緊迫した状態になっているではないか。
かねてより中国が台湾に対してその影響力を圧力として与えようとしているのは、果たして歴史的なことやイデオロギーに限っての話なのだろうか。
中国大陸から見た日本列島。
中国が太平洋への進出を図るに、大きな障壁となっているのが日本列島なのだ。そして、太平洋の覇権を握れないということは、それは同時に世界の覇権を握れないと言うことを意味する。
だからどうしても中国は常に日本を自らの影響下に置かなくてはならないという事情がある。
現に最近、その重要な島である与那国島に中国は飛行機での領空侵犯を何度も図っている。日本はなめてかかられていると思う国民は多いだろう。
日本にもその危機意識をもっと持って欲しい。以上がメア氏の沖縄基地、すなわち日米安保の大きな説明ポイントになっている。その日米安保とは、米国だけが日本を守ると言う非対称な条約であるが、それでも米国民はそれを理解しているではないか、と。
みなさんは、どのようにお考えだろうか。
などなど、日本での国務省における任務のエピソードから、日本の外務省などのあまりに酷い仕事ぶりなどを「言葉を選びながら」だけども、しっかりと僕らに教えてくれる。
またヒル国務次官や歴代の駐日大使などもばっさりと斬り捨てる。
なかなかナイーブな問題を書ききっている一冊だから、それぞれに異論反論もあるだろう。まったくだとうなずく人も多いだろう。少なくともこれだけ米国側から日米安保や沖縄駐留基地についてしっかりと発言をしている本を読んで彼らの理屈も知った。
読んで見られるのもそれぞれの考え方を知るのにとても参考になるだろう。
また、沖縄をめぐる日米の歴史にも大いに参考となるものだ。
とにかく私のブログに左右されることなく、自分で読んで判断して欲しい。
しかし、そのメア氏に大いにがっかりしたことがある。
彼はあるテレビで「広島への原爆は、それ以上の無用な死者を出さないためにも消極的に必要だった」と発言したのだ。これはまさしく米国民の声を代表する意見だ。
こればかりは日本人はどうにも考えられない。
だからといって、広島の10万人の死者は無用な死者ではなかったのか、という矛盾に彼はうまく答えることができなかった。より多くの戦争被害者を出さないために、より多くの原爆被害者を出したという矛盾を。
ケビン・メア氏
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