訪問介護では、サービス提供後に利用者様のご自宅にある記録簿へ、その日の様子を記入してから退室します。
記録簿には、
- 起床時間
- 食事や水分摂取の状況
- オムツの状態
- 尿の回数や量
- 排便の有無
- 血圧、体温、脈拍などのバイタルサイン
- 体調や気になる変化
などを記録しています。
一見すると単なる記録に見えるかもしれません。しかし、この記録簿が利用者様の健康を守る大切な情報源になることがあります。
排便記録から見える体調変化
独居生活をされている高齢者の方から、
「お腹が苦しい」
「便が出ない」
という訴えがあることがあります。
その際、記録簿をさかのぼって確認すると、実は4日以上排便がないことが判明する場合もあります。
便秘は単純な不快感だけではありません。
- 食欲低下
- 腹痛
- 吐き気
- 脱水
- せん妄
- 腸閉塞
などにつながる可能性があります。
そのため、白湯や水分摂取の状況、ヨーグルトなどの食事内容、処方されている便秘薬の服用状況を確認します。
しかし、水分補給だけでは改善しないケースも少なくありません。
「いつもと違う」を見逃さない
トイレからなかなか出てこない。
苦しそうに何度も力んでいる。
痛みを訴える。
呼吸が荒い。
顔色が悪い。
こうした変化は、介護職が日頃から利用者様を見ているからこそ気付けるサインです。
訪問介護員だけで判断せず、事務所へ報告し、
- ケアマネジャー
- 訪問看護師
- 主治医
などの専門職へ連携を行います。
命を守るための連携
高齢者の場合、便秘だと思っていた症状が重篤な病気のサインであることもあります。
腸閉塞や消化器疾患、脱水症状など、緊急性の高いケースも考えられます。
痛みが強い、意識状態がおかしい、呼吸が苦しそうなど、明らかな異常が見られた場合には、救急要請を選択することもあります。
介護職は医療行為を行うことはできません。しかし、異常の早期発見と迅速な連携は重要な役割です。
記録は利用者様の生活の歴史
毎日書いている記録簿は、ただの事務作業ではありません。
利用者様の生活や体調の変化をつなぐ大切な情報です。
「昨日はどうだったか」
「何日排便がないのか」
「食事や水分は摂れているのか」
これらを確認できるからこそ、異変に気付き、早期対応につながります。
訪問介護の現場では、日々の小さな記録の積み重ねが、利用者様の健康と安心、そして命を守ることにつながっているのです。