あなたの名前を、フルネームで紙に書いてみましょう。
綺麗でなくてもいいのです。
ゆったりと、そして、一画一画をしっかりと噛みしめてみましょう。
書き上げたら、それをぼーっと眺めてみるのです。
なんだか、別の誰かを見ているような気がします。
あなたの両親は、どんな思いであなたにその名前を授けたのでしょうか?
あなたの両親は、はじめてあなたの名前を書き記したとき、どんなことを感じたのでしょうか?
インクと一緒に刻み込まれたのは、あなたの命です。
そこには、あなたの怨念が宿っています。
あなたの分身です。
これまでに、あなたはたくさんの分身を生み続けてきました。
今日も、どこかで誰かがあなたに触れています。
この瞬間も、あなたの知らない命のふれあいが生まれているのです。
こんなにも嬉しいことはありません。
ふと我に返ると、感謝しています。
生まれたことに、そして今、こうして存在するあなたに感謝できるのです。
あなたはまだ、生きているのです。