「練習ではできているんですけどね」

 

試合が終わったあと、よく聞く言葉です。

 

練習では打てていたスマッシュが入らない。

 

いつもなら取れるシャトルに足が出ない。

 

サーブが浮く。

 

レシーブが急に大きくなる。

 

そして、

 

「緊張していたから」

 

で終わってしまうことがあります。

 

もちろん、緊張もあると思います。

 

でも最近、僕はそれだけではないと思っています。

 

練習で「できる」と、試合で「使える」は違う

 

ノックなら打てる。

 

パターン練習でもできる。

 

ところが、ゲームになるとできない。

 

これは、

 

技術がないのではなく、その技術がまだ自分のものになりきっていない

 

ということもあります。

 

練習では、次に来るシャトルがある程度分かっています。

 

でも試合では分かりません。

 

相手を見る。

 

シャトルを見る。

 

点数も変わる。

 

疲れてくる。

 

相手もこちらの嫌なところを狙ってくる。

 

その中で、瞬間的に判断して技術を使わなければならない。

 

だから僕は、

 

「練習で10回できた」

 

だけではなく、

 

「どんな状況でもできるか」

 

を見ることが大切だと思っています。

 

12対12でも同じ一本を打てるか

 

例えば、

 

5対2で打つスマッシュと、

 

12対12で打つスマッシュ。

 

技術的には同じ一本です。

 

コートの大きさも変わらない。

 

シャトルも変わらない。

 

ネットの高さも変わらない。

 

でも、

 

打っている人間の中は変わります。

 

「ミスしたくない」

 

「ここを取られたらまずい」

 

「勝ちたい」

 

そう思った瞬間、

 

身体が少し固くなる。

 

足が半歩遅れる。

 

ラケットを振り切れなくなる。

 

普段なら前へ入れるところで、一瞬待ってしまう。

 

この小さな変化が、

 

試合では一本の差になります。

 

本当に身についた技術とは

 

だから練習では、

 

できるようになったら終わりではありません。

 

動いたあとでもできるか。

 

疲れた時にもできるか。

 

連続して使えるか。

 

相手がいる中でもできるか。

 

点数をつけてもできるか。

 

プレッシャーがかかった時にもできるか。

 

少しずつ条件を変えていく。

 

僕は、

 

技術を覚える練習と、覚えた技術を試合で使えるようにする練習は、別のもの

 

だと思っています。

 

試合でできなかったからといって

 

保護者の方にも、

 

一つ知っておいてほしいことがあります。

 

試合でできなかったからといって、

 

「練習してきたことが全部無駄だった」

 

わけではありません。

 

できるようになった技術を、

 

試合の中へ持っていく途中なのかもしれません。

 

そこで、

 

「練習ではできていたのに、なんでやらなかったの?」

 

と言われても、

 

本人にも分からないことがあります。

 

そんな時は、

 

「どうしてできなかったの?」

 

より、

 

「どんな時にできなくなった?」

 

と考えてみる。

 

疲れた時なのか。

 

点数が競った時なのか。

 

相手に攻められた時なのか。

 

動かされたあとだったのか。

 

そこが分かれば、

 

次の練習でやることが見えてきます。

 

練習でできるようになる。

 

試合でできなくなる。

 

また練習する。

 

少し試合で使えるようになる。

 

その繰り返しです。

 

だから僕は、

 

試合でできなかった一本を見るとき、

 

「できなかった」で終わらせるのではなく、

 

「どんな時まで、その技術を持っていられるか」

 

を見たいと思っています。

 

本当に身についた技術とは、

 

調子のいい時だけ使える技術ではない。

 

苦しくなった時にも、

 

自分のところに残っている技術なのだと思います。

 

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