子どもたちを指導していると、同じことを何度も伝えることがあります。

 

「準備を早くしよう」

 

「もっと足を動かそう」

 

「構えが遅いよ」

 

「シャトルを拾おう」

 

「話を聞こう」

 

「今のミスは何が原因だった?」

 

言われれば直す。

 

でも、しばらくすると元に戻る。

 

そして、また言われて直す。

 

これは決して珍しいことではありません。

 

子どもですから、最初から何でも自分でできるわけではありません。

 

だから私たち大人が教えることも必要です。

 

でも、成長していくためには、いつか次の段階へ進んでほしいと思っています。

 

それが、

 

「言われたからやる」から、「自分で気づいて動く」への変化です。

 

同じ注意をされても、その後が違う

例えば、

 

「構えが遅いよ」

 

と言われたとします。

 

その瞬間だけ構えを早くする。

 

次の日には、また同じことを言われる。

 

これでは、まだ「教えてもらった」段階なのだと思います。

 

ところが、少しずつ成長してくると、

 

「あ、今のは構えが遅かった」

 

「さっきから足が止まっている」

 

「打点が後ろになってきた」

 

と、自分で気づくようになります。

 

さらに、

 

「次はもう少し早く準備しよう」

 

と、自分で修正できるようになる。

 

ここまでくると、成長のスピードは大きく変わってきます。

 

なぜなら、

 

コーチが見ていない時にも、自分で自分を成長させられるようになるからです。

 

「注意されなくなった=成長した」とは限らない

ここで、気をつけたいことがあります。

 

「最近、何も言われなくなった」

 

それだけで成長したとは限りません。

 

本当にできるようになって、言われなくなった場合もあります。

 

一方で、

 

何度言っても変わらないから、周りが言わなくなってしまうこともあります。

 

この二つは全く違います。

 

大切なのは、

 

「注意されているかどうか」ではなく、「言われなくても自分でできるようになったかどうか」。

 

だと思います。

 

家庭でも同じかもしれません

これは、バドミントンだけの話ではありません。

 

「宿題やった?」

 

「明日の準備した?」

 

「忘れ物ない?」

 

「早く寝なさい」

 

「練習の準備した?」

 

親が毎日確認すれば、失敗は減るかもしれません。

 

でも、ずっと誰かに言われなければできないままでいいのでしょうか。

 

時には忘れることもある。

 

失敗することもある。

 

その経験から、

 

「次は前の日に準備しておこう」

 

と本人が気づく。

 

私は、そういう経験も大切だと思っています。

 

もちろん、安全に関わることなど、大人が止めなければならないこともあります。

 

でも、

 

大人がすべての失敗をなくすことと、子どもを育てることは同じではありません。

 

試合では、自分で考えなければならない

そして、この力は競技力にもつながります。

 

試合が始まれば、実際にコートの中で戦うのは選手です。

 

相手がどこを狙っているのか。

 

なぜ自分は失点しているのか。

 

スマッシュが浮き始めていないか。

 

レシーブの位置は合っているか。

 

疲れて足が止まっていないか。

 

試合の流れがどう変わったのか。

 

コーチがすべてを教えることはできません。

 

だから強い選手になるためにも、

 

自分で気づき、自分で考え、自分で修正する力

 

が必要になります。

 

最後は、自分で自分を育てられる人へ

指導者として、たくさん教えることも大切です。

 

保護者として、子どもを助けることも大切です。

 

でも、それが最終目的ではないと思っています。

 

いつか、

 

大人が言わなくても自分で気づく。

 

自分で考える。

 

自分で決める。

 

自分でやってみる。

 

うまくいかなければ、また考える。

 

そんなことができるようになって、少しずつ大人の手を離れていく。

 

それが成長なのではないでしょうか。

 

だから私たち大人の役割は、

 

子どもが失敗しないように、いつまでも先回りすることではなく、

 

いつか「自分で自分を育てられる人」にしていくこと。

 

なのかもしれません。

 

バドミントンでも人生でも、

 

「誰かに言われなければ動けない人」ではなく、

 

「自分で気づき、自分で変えられる人」へ。

 

そんな成長を、子どもたちと一緒に目指していきたいと思っています。