以前、こんなことをお伝えしました。
「バドミントンは、返し続けた人が勝つ競技だ」
今日は、この話をもう少し深く掘り下げます。
技術的な話ではありません。
「返せた」という体験が、子どもをバドミントンに夢中にさせるという話です。
なぜ子どもはバドミントンを好きになるのか
子どもがバドミントンを好きになる瞬間は、どんな時だと思いますか?
上手いショットが打てた時?試合で勝った時?
もちろんそれも大切です。
でも15年間コーチとして子どもたちを見てきた中で、気づいたことがあります。
子どもがバドミントンを好きになる瞬間のほとんどは——
「返せた!」という瞬間です。
難しい球が来た。
必死に追いかけた。
なんとか相手のコートに返せた。
この瞬間の「やった!」という感覚が、子どもをバドミントンに引き込みます。
華やかなスマッシュでも、鋭いドロップでもなく「返せた」という体験が、バドミントンへの愛着を生みます。
「返せた体験」が自信を作る
「返せた」という体験には、もう一つ大切な効果があります。
自信を作ることです。
「自分はこの球を返せる」という記憶が積み重なることで、選手は「自分はできる」という感覚を育てていきます。
逆に、難しい球が来るたびにミスをしていると「自分には無理だ」という感覚が育ってしまいます。
だからこそ練習の中で「返せた体験」を意識的に積み重ねることが、技術の向上と同じくらい大切なのです。
コーチとして大切にしていること
ミンピーベーサーの練習で、私が特に大切にしていることがあります。
「まず返せる球を打ってあげること」です。
初心者の子どもに、いきなり難しい球を打っても意味がありません。
返せない球ばかりが続くと、子どもは「自分にはできない」と感じてバドミントンが嫌いになります。
まず返せる球を打ってあげる。
返せた体験を作ってあげる。
「返せた!」という喜びを感じた子どもは、自分からもっと難しい球に挑戦したいと思い始めます。
その意欲が育った時に、少しずつ難しい球を打っていく。
この順番が大切です。
保護者の方へ
お子さんと一緒にバドミントンをする機会があれば、ぜひこれを意識してみてください。
「お子さんが返せる球を打つこと」です。
思い切り打ちたくなる気持ちは分かります。
でも子どもが返せない球ばかり打っても、楽しくなりません。
お子さんが「返せた!」と感じられる球を打ち続けてあげてください。
「返せた!」が続くと、子どもの表情が変わります。
目が輝き始めます。
「もう一回!」と言い始めます。
その瞬間が、お子さんがバドミントンを好きになる瞬間です。
試合でも同じ
これは初心者の話だけではありません。
試合中でも「返すこと」を最優先にしている選手は、メンタルが安定しています。
「まず返す」という明確な意識があるから、難しい状況でも判断がシンプルです。
「とにかく返す」という基準が、迷いをなくします。
スマッシュを打ちたい。
決めたい。
かっこいいショットを打ちたい——こうした欲求が先に来ると、体勢が整っていない時でも無理をして打ちにいきます。
その結果、ミスが増えます。
「まず返す」この意識が、試合での安定感を生みます。
最後に
バドミントンの本質はシンプルです。
相手のコートに返し続けること。
その「返せた」という体験の積み重ねが、選手を育てます。
自信を作ります。
バドミントンを好きにさせます。
今日の練習で、一球一球「返すこと」を意識してみてください。
その積み重ねが、あなたのバドミントンを変えます。