慈悲の眼差し | 伽想詩

伽想詩

愛するものは猫と本と花......そしてantique

昔からアンティークなものが好きだった


永い永い時を経て今もなおその姿は色褪せる事無く

多くの歴史や喜びや哀しみを秘めたまま今もこれからも静かに生き続けて行く


手に取って遥か昔に想いを馳せてみると

こっくりとした色合いに何とも言えない安堵感を覚える

少しほつれたレースや丁度良い具合に色の落ちたキルト


何も無くても幸せだった時代が見えるような気がする


アンティークドール

2度の大戦をくぐり抜け、たくさんの史実を見てきた

深い湖のようなその美しい瞳に、私は「慈悲」の眼差しを感じ

そっと優しく頭を撫ぜられたような気持ちになった

無意識のうちに、救いを求めていたのだろうかも知れないけれど



彼女達が少女の愛玩具だったとはとても思えない

この眼差しも佇まいも、永い年月の賜物なのだろうか



その存在自体が私には神々しくさえ思える

$I will see again・また逢おうね