子供の頃
生とか死とかは遠い遠い存在で
今在る全ての命は一生そのままの存在だと思っていた
親もおばあちゃんもおじいちゃんも猫も
何もかもが
いつまでもそのままで元気で
なのに
気が付けばいつしか全ては老いていき
そして静かに去っていった
さよならも言えずに、いつのまにか
命の重さも尊さも何も分からなかった、あの頃
泪を流す事さえ知らなかった
今になって やっと気が付いた
慈しむ気持ちや見守られていた事
その中に居ながら何も気付かないで生きてきた事や
これからは自分がそうすべき立場に居る事を
楽しかったあの日も、辛い想い出も
全部心の奥にしまい込んで
月日は流れ年老いて行く
そして或る日ふと振り返る
何気ない日常も、何気ない会話も
何と幸せな人生の1コマだったのだろう、と
いつまでもいつまでもいつまでも
あなたの事を想いながら