あの日 | 伽想詩

伽想詩

愛するものは猫と本と花......そしてantique

4月23日

転院してもあまり状態は変わらず、悶々と過ごしていた日々だったけれど

この日だけは忘れる事が出来ない日

以前にも書いた事が有るのだけれど

15分の奇跡が起こった日

夕方、ちょこんといつものように食事場所に座って

見向きもしなかったご飯を食べて

ベランダの外に居る私を待っていて

大好きだったベッドに入って

以前と何も変わらない、いつもの生活でいつものスタイルで

じっと私を見つめる目もいつものようにキラキラしていたし

ベッドで確かに毛づくろいもしていた

やった!良くなってきたんだ!これからもっと良くなって行くんだ!




でも



それは僅か15分だけの出来事で

次の瞬間には

ベッドから出てぐったりと床に横たわる姿が有った


あれは何だったのだろう

あの15分は最後に見せてくれた彼女からのメッセージだったのか

ママ、忘れないでね

ママ、こんな風に、いつものように暮らしてね


忘れた事など一日も無いのに

いつものように暮らしているのに

なぜいつまでも遠いのだろう



いくつもの朝が来て夜が来て


もうすぐ1年が過ぎようとしている