入院中の母を家族皆で見舞った。
母はもう笑うことも泣くことも怒ることもない。
それでも、視力と聴力は残っているので私たちが話しかけると眼を見つめ返す。
母の細い腕を触って
「大したもんだよ。こうなっても生きる力があるんだから。」
と言った父の声は慈愛に満ちていて最後は涙声だった。
そういう口調の父は初めてで私は父を見ることはできなかった。
何歳になっても親は親で、父は未だに私達を心配してくるし、母はどういう状態になっても私たちに教えてくれる。
生きるということ、老いるということ。
普段の毎日の何気ない暮らしこそが、生きる、ということであることを。
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