私の夫は若いころは結構、イケメンの部類に入る方だった(ということにしておこう)。
が、その中身は外見とは違いバンカラに近い。
私は、その夫を「昭和一桁生まれ」と揶揄した。
(実際は一桁ではありません。念のため)
そして夫の無口は、私が知る男性の中でTOP3に入る。
ここ数年、土日の食事は夫の担当となり、彼の料理の腕はメキメキ上がってきた。
ちなみに、今晩のごはんのおかずの副菜はサトイモの料理で、一口食べた私はその美味しさに唸った。
「美味しい~~~。」
もはや、ここまでくると、お袋の味に近い。
見事だ!
絶賛できる!
ちなみに、今朝、私を仕事に送ってくれる車の中で私は夫に頼んだことがある
「N(次男の名前ね)の学ランのボタンが取れているのでつけてくれる?」
恥を忍んで言うが、お裁縫に関しては夫の方が私より、上手い。
何せ、彼の趣味は革細工だ。→☆
・・・裁縫を夫に頼み、仕事に送ってもらって夕ご飯まで作ってもらう土日の私は、まるで男のようではないか・・・。
(注・・・土日は私は某企業でお仕事をしています)
が、名誉のために言っておくが、平日の私はかなり女性らしく、おそらく平均的な女性をかなり上回る家事力を全身で発揮している(と思う)
要は私は全力で生きてるのね、いつも。
で、話は本題の私の誕生日のこと。
かなりの勢いで、夕ご飯をテキパキと作っていると玄関のドアを開ける音がした。
この日はみもざていのレッスンがあったので、夕ご飯の準備は遅れ気味だ。
帰ってきたのは誰だろう?
早くない?
まだ夕ご飯作りは半ばだ!
焦りながら人影のあるリビングに慌てて行くとそこに立っていたのは夫だ。
「お帰りっ!」
何せ慌てている私は言葉まで元気で慌てている。
かわいそうな夫。
「お誕生日おめでとう」
夫は私が大好きなケーキ屋さんトロワフレールのケーキの箱を私に渡しながら、言葉を続けた
「いつもありがとう」
その言葉を聞いた私の驚きは、うまく言葉で表現できない
夫の口から「ありがとう」を聞くのは何年ぶりだろうか。
しかも、「いつも」がついている
「いつもありがとう」って言ったよね、今。
あまりの驚きに、なんと答えればよいのか全く思いつかず、こともあろうに夫のその言葉をオウム返しにした
「いつもありがとう」
夫と同じ言葉を同じトーンで、つまり夫のまねをしたように答える私はなんとマヌケなことか
「きゃあ嬉しいわ
」とか
「こちらこそ、いつもありがとう」とか
かわいい声で甘えれば良いものを・・・
夕ご飯の春巻きをつくるその中華料理の火力の勢いで
「いつもありがとう!」とオウム返しの私
その日の夕ご飯が終ったあとにふと脳裏をよぎったある日の我が家のリビングの風景。
私は夫と二人でTVを見ていた。
何かのCMで夫婦と思われる二人。
~○○の力を借りて言ってみた
「いつもありがとう」
と夫役の男性。
何のCMか忘れてしまったので○○のところは、もしかしたらコーヒーかもしれないし、シチューかもしれない。
そのCMを見ながら私は茶化したような気がする
「○○の力を借りないで自力で言いなさいよ~」
無口な夫は私のその茶化しを黙って聞いていたような気がする。
もしかしたら、夫はその日のことを覚えていたのだろうか?
そして夫は○○の力を借りずに私に言ったのだろうか?
「いつも、ありがとう」
夫婦を二十数年やっていると、そんなことを確認するのも照れ臭くまだ、聞いていない。
私も、言おう!
「いつもありがとう」
・・・
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