さっきから、しつこいほど、スケールの練習をしている。
最初は確かめるようにゆっくりと吹いていたのが
徐々にテンポを上げて、よく指がうごくなぁ~と感心する速さだ。
ふと、昔テレビでみた映画のワンシーンを思い出した。
アメリカのプレジデントの話だったと思うのだけど・・・



仕事に忙しいアメリカの大統領はプライベートでなんとか娘と
心を通わせたいと願っている。
リビングルームで娘が楽器の練習をしている。
(その楽器がなんだったかも忘れてしまったけれど)
プレジデントが娘に話しかける。
「いい曲だ。」
全然わかっていない・・・という表情で娘が答える
「・・・スケールよ・・・」



あの映画でたったワンシーンだけ覚えているのが
曲なんかではない、ただのドレミファ・・の練習を…曲、と思うプレジデントを
悲しげにあきれたように見る娘の目。
あのころは、私が娘の立場の頃で、共感していたのかしら?
今はプレジデントと同じ立場。
何も言わずに黙って聞いていよう(笑)