中高生の部活は今、夏の大会の真っ盛りですね。
きょうのこの日のために
気の遠くなるような反復練習を繰り返し
憧れの先輩の背中をひたすらに追い続け
時に仲間と衝突し
語り合い励まし合い競い合い
そうして過ごした一瞬の重みが
その子の人生に豊かな実りをもたらすことを
母たちはただ願う。
子供の背中を無言のまま見つめ
そして朝がくると
昨日のいさかいを忘れたように送り出す。
大会の日、母たちはのどの奥に熱い塊を感じながら
精一杯のエールを観客席から送る。
あるいは仕事の合間に時計を気にしながら
もう始まったかと心を馳せる。
大会のその様子を語る母たちの目にはうっすらと涙が浮かぶ事を
きみたちは決して知らないでしょう。
母たちは、それで充分です。