~ 午前4時にカメラを空に向けて撮った写真~
このブログを絶対に見ることのない次男への手紙です。
彼が、見ないと知っているから、ここに書けるんだけれどね♡
私がおばあちゃんになった頃かな、これを彼が読むの。
それでいいと思います。
それがいいと思います。
みんな、内緒にしてね。
午前4時、昨日の体育祭で君が疾走する姿が夢に出てきて、すっかり目が覚めた。
クラス全員が走るリレーで、
トップとはグランド半周分の大差がついたバトンを、
第2走の君は待っていた。
バトンゾーンにはもう、君しか残っていなかったね。
うつむいて シューズで砂を蹴る君を、
遠くから祈るような気持ちで見つめていた。
ベストを尽くせ!
君は突然両腕を高々と上げ
何かを叫び、第1走女子に声をかける。
何度も、何度も。
バトンゾーンには君しかいないわけだから、
単なる合図だけではないだろう。
バトンを受け取るギリギリのラインで、一歩も助走することなく君は構えた。
少しでも、多くの距離を俺が走る、と。
俺に任せろ!
と全身が叫んでいた。
疾走!
長身を生かした大きなストライドは、粗削りだけれど、
力強く、しなやかさがある。
前の走者との距離はグングン縮まり、ほぼ並んだ。
継ぎの走者へバトンを手渡した。
他のクラスに比べて人数が一人少ない君のクラスで、
君はもう一度、走った。
さっきと同じような力走だ。
そして、もう一つの種目、クラスの選抜選手としてのリレーでも君のベストを尽くせた。
3回も、君の走りが見られて良かったよ!
今度、君がトラックに立つ姿を見られるのは、一体、いつになるだろうか。
でも、こう思う。
昨日、ベストを尽くせたじゃないか!
君の、黎明だ!
いつか 必ず、タータンのトラックに立てる日が来ると信じている。