いつかいつか、と思っていた
青森ヒバのバッグ。
今年こそ、と思い探したら、
ヒババッグ製作者である
ヒバ工芸柴田の柴田円治さんが
2024年2月にご永眠されたことを
知りました。
しょんぼりと木のバッグを調べなおし、
秋田で1790年から続く
イタヤカエデのバッグや
同じくイタヤカエデを使った
お隣滋賀県の小原かご
なども考えました。
秋田のイタヤ細工も滋賀の小原かごも、
やはり材料問題と後継者不足問題を
抱えているようでしたが、
イタヤカエデは若木を使うことと、
幸いどちらにも、30代の職人さんが
おられるようでした。
小原かごに至っては、
とても精力的に作業の普及活動が
行われていました。
ヒバ籠は、柴田円治さんが
イタヤカエデで練習したり、
お母様のお嫁入り道具の行李を元に
ご自身で編み出した籠。
簡単に技術を普及できるものでは
なかったのだろうな…と思っていると、
ブロ友さんのNatureさんから、
「お弟子さんの作品を持っています」
といった内容のコメントを頂きました。
慌てて、柴田円治さんの取材をされた
下北アシストさんに
お弟子さんのことを質問させて頂くと、
残念ながら、お弟子さんは
2025年1月現在はおられないとのこと…。
でも、籠バッグなら、
まだ販売されているのではないか、と、
お店をご紹介くださったのです。
昔の画像、お借りしました
以前、むつ市でこのように
展示販売されていたお店。
突然の私からの電話に、
まだ並んでいる
バッグ4個のサイズを測り、
持ち手も詳しく教えてくださいました。
ヤマトコレクトで発送しますよ、との
言葉に胸が踊りました。
しかし、持ち手。
家庭画報で河原シンスケさんと
コラボした時は
上の写真の革の持ち手。
Cul de Sac-JAPONが製作した持ち手は
下の写真。
このふたつとは、全く違う持ち手が
ついているはず…。
悩みましたが、
持ち手部分に関して
本革か合皮か、と、赤か茶色か、という
情報しかないまま、
バッグの写真も見ることなく
お取り寄せ、という初の経験をしました。
お願いしてから2日後。
憧れ続け、諦めかけていた
ヒババッグが到着しました!
赤の革の持ち手が
想像していた以上に可愛いくて
ひとり飛び上がりました。
籠バッグの中に、籠も入ってきました。
Natureさんがお茶道具を入れてらして、
とても素敵だったので、
こちらもお願いしたのです。
しかし、こちらは20cmと
聞いていいましたが
なかなかに大きな籠で
でも、大きいなら大きいで、
また使い方はいろいろありそうです。
200年、300年かけて育った青森ヒバ。
木材の廃棄部分を整えて、
きっちりと編まれたヒバ籠は
ヒバと柴田さんの命がぎゅっと
編み込まれているようです。
形を変えながら、続く命の尊さを
感じずにいられません。
想像していた以上に、
素晴らしいヒバ細工でした。
そんな籠を、
青森県で
素敵な暮らしを綴るNatureさんと
優しい言葉の音を響かせるひとたちの
おかげで迎えることができました。
まだ新しい籠バッグは、
ふとした時に優しいヒバの香りがします。
香るたびに
私とバッグを繋いでくださったひとたちに
手を合わせる思いでいます。
本当に本当に
ありがとうございました。