先日、日本カヌースプリント選手権が
石川県で開催されました。
私の長男は
高校生の頃から本格的に
ずっとカヌーをしてきたのですが、
コロナ禍で高3のインハイも国体も
開催中止となった、
高校最後の夏を失った世代でした。
その辛さを乗り越えたと思ったら
肩の故障が本格化し、
手術を受けたものの、
何をやっても改善はなく、
選手としてはもう無理、と
2年前に大学病院で告げられました。
「なんでこんなについてないんだ」と
俯きながら涙する長男に、
かける言葉は浮かばず、
本人に任せるしかない、と、
ひたすらにご飯を作った私。
結果、部活は辞めずに、
ほぼマネージャー業とはいえ
頑張っていたところ、
大学4年の最後の夏、
「ペアなら肩への
負担が弱まるんじゃないか。」
「最後は一緒にエントリーしよう。」
と、仲間達が名乗りをあげてくれて、
この大会に出場することとなったのです。
肩は正直限界だろうし、
また苦しそうな顔を見たくないし…と
悶々としていましたが、
予選には間に合わなかったものの、
どうにか準決勝のレース前には会場に。
1位通過する姿を見ることができました。
こんなに楽しそうに
湖から戻る顔を見たのは
何年ぶりだろう、と泣きそうになりました。
入賞は叶いませんでしたが
「後悔は全くない。やりきった。
無駄だと言わずに
ずっと部活をやらせてくれてありがとう。」と
帰ってきました。
レースに出場しない仲間も
これまで頑張ってきた他校の仲間も
保護者さんや先生たちも
応援に集まってくれて、
最高の引退レースだったようです。
この日は木場潟湖の周りには
あちこちに獅子舞さんが練り歩いていて、
大会からの帰り道、
何体もの獅子舞さんに頭を噛んで頂いた私。
縁起がいいこと大好きな私は
最後の最後に
ご褒美を頂けたような気持ちでした。
見るのも苦しい時も多かった
長男の7年間。
でも、いつも周りの人たちの
愛と優しさに包まれていました。
これからは、
愛を注ぐ側に立つために、
小学生の指導サポートを始めるそうです。
また新たな関わりが始まる
長男のカヌー。
私では経験できなかったこと、
私では知れなかったことを
教えてもらえたこと。
お世話しているようで
お世話して貰ったような7年間。
全てを大切に、忘れないようにしたいです。