先日、久しぶりに中国茶教室に。
私の今年の抱負である、
「中国茶会を開催したい」という
大きな目標を先生が気に留めて下さり、
今回は茶会のさまざまな方式や、
改めての茶葉の話、茶器の話、
お茶の歴史やあり方など、
ゆっくりお聞かせ頂きながら
先生が自らいれてくださるお茶を
飲み比べ、という
贅沢な時間でした。

独特の中国紅茶。

四大岩茶のひとつ、鉄羅漢。

岩の豊富なミネラルを吸収したこのお茶は

長寿の仙薬と言われるほど

エネルギーに満ちています。


確かに、中国茶の先生方は年齢不詳の

パワフルな方が多いような。

その話題から、

鉄観音を頂きながら、

台湾の奇古堂の92歳になられる

沈先生の話題に。


一般的に5g使用する茶葉を

1gで抽出できるエコ茶を推進され、

専用の茶器の開発にも力を尽くされた

沈先生。


来年こそは、中国茶教室のみんなで

台湾に行き、沈先生にお会いしたい、と

盛り上がりました。

教室から帰り、自分の奇古堂の茶器で

龍井茶の練習。


気持ちは来年こそ、の台湾に飛び、

あれこれ妄想スケジュールを組みはじめた私。


ちょっと距離感を確認しよう、と

「台湾 奇古堂」と入力すると、

2023年8月31日、

奇古堂店主の沈甫翰 (シン・ホカン、シェン・ユーハン)氏が亡くなられたことが綴られた

noteがでてきたのです。


脱力感。


ああ、私は、あんなに憧れた方に

お会いすることはないのだ、と思い、

しばらくぼんやりしました。


なんともやりきれなくて、

中国茶教室のLINEに

沈先生がお亡くなりになられていたことを

書き記しました。


すぐに、先生とPさまは

気づいてくださり、

暖かく優しい各々の気持ちを綴る

返信がありました。

いつも気持ちに寄り添ってくださる

おふたりの存在に

この日も感謝の気持ちでいっぱいに…。

奇古堂の茶器たち。

どうしても本店でしか手に入らないものを

Pさまが昨年5月に台湾から

機内持ち込みまでして持ち帰ってくださった

貴重なものです。


奇古堂からLINEをくださり、

先生と私たちを繋いでくださったPさま。


あの時、画面の向こうに感じた

私の憧れの沈先生の気配を

いまは並べた茶器の向こうに感じます。

沈先生、

私はお店にはお伺いできませんでした。


でも、先生の茶器と茶葉は

海をこえて、ここに並んでいます。

(改めて繰り返しPさまに感謝…)


これがあれば、

私なりに、大切な人を癒したり整えたり、

お茶と共に心も酌み交わしていく日々を

これからも続けていけます。

そこにはきっと沈先生の想い、

「茶縁」が香りと共に漂っているはず。


私の淹れるお茶の香りは

今度は空をこえて、

先生の元に届くと信じています。


沈先生、

さよーなら、またいつか!