コロナ禍より、だいぶ前から

ガラガラのシャッター街に
なってしまった福井駅前商店街を
有効利用しよう、と、
あれこれ店舗募集がありました。

その中で、
特に異才を放っていたのが
「クマゴローカフェ」。

移住されてこられた店主さまが

週3ほどモーニングを営業、

昼はランチ、夜はスナックやイベントの

間借りのお店でした。


いろんなお友達がちょいちょい間借り営業を

していたのですが、

駐車場がないというのが

福井駅前の大きな問題…。

なかなか足が向かず(ごめんなさい)

転勤するお友達が最後のイベントとして

間借り営業した「蘇州夜曲」に

仲間たちと

参加しただけでした。


でも、クマゴローカフェさんは、

固定の間借り営業も定着していて、

ファンも多くて、

ずっとあるもの、と勝手に思いこんでいました。


が、新幹線開通からの、

駅前開発の流れから、今月で閉店に。

驚きのお知らせでした。


移転もなく、休眠、とのこと。


最後に向けて、

仲良しの高校時代のせんぱいが

間借りカフェ最終営業される日に

お邪魔してきました。

この感じ、ドキドキするなぁ。

入口に置かれた1冊100円の本たち。

なんとなく目に入った2冊をつまんで。

天井に飾られた籠たち。

この雰囲気、

ぶら下げ好きなのは私だけではないらしく、

みんな見れなくなることを惜しんでいました。

発酵おやつプレートを準備してくれる

さんちゃんと

ハーブティーをいれてくれるせんぱい。


この古い空間のあかりのように

ふたりが放つ暖かさが沁みます。

ちょい前にテレビ東京で放送されていた

「スナックキズツキ」を彷彿させる

秘密のスナック感。


さんちゃんのおやつはどれも

素材感が強くて、

畑や山からとってきてくれたような

生命力のかたまりに思います。

私の大好きなせんぱいは

高校生の頃から軸があって、ブレがなくて、

天性のリーダーシップに

みんなが憧れていました。


今も、学校が苦手な子供さんの

サポートをするお仕事をされています。


常に人を明るい方に

導いてくれるひと。


そんなせんぱいのいれてくれる

ハーブティは

香りから色から優しくて、

芯からほぐされていくのを感じました。

ちょいちょい間借り営業されていたのに、

いつも用事が重なっていて、

また行ける、また今度、と

延び延びになっていましたが、

最後の最後に行けてよかった。


でも、永遠、なんてないのだから、

なんでもエイッと行くべきだし、

やるべきなんだなぁ。


私もクマゴローさんで

昭和喫茶間借り営業に挑戦すべきでした。


途中、オーナーさんもお見えになり、

クマゴローカフェから旅立った人々や、

ずっと定期営業された方々の話を

チラッとお聞きしました。


みんな、一歩、は、

予算面も精神面もきつく、

二の足を踏んでしまいますが、

こういう間借りという形で

チャレンジしたり経験をつめるのは

すばらしかったと思います。


こんな場所がひとつ

なくなることは寂しいです。


このところ、いろんなお別れが

ちらほらり。


別れでできた穴には

また新しいものがおさまるとはいえ、

やはりお別れは切ないものです。