もう覚えてないくらい昔から
私の家には毎年つばめが巣をかけます。

今年の春も当たり前のように
つがいのつばめが巣をかけました。

とにかく動物好きの我が家なので
毎年雛の成長を毎朝見れることが
嬉しくてたまりません。




今年も心配していたことが起きました。
雛が孵ってすぐに
巣が壊されたのです。

地面には壊された巣と雛たち。
親鳥たちが悲痛な鳴き声でその上を飛び
外敵から守っています。

助けたい

でも、私は決して、落ちた雛を拾わない、と

数年前に誓ったのでした。

夕方には雛は一羽もいなくなり

空を親鳥たちが叫ぶように鳴きながら飛び続け

私は泣きながら粉々になった巣を片付けました。


私は、巣ができても、雛が孵っても、

巣立つまでいろいろなことが起きる、と

切なくてしょぼくれていたのですが


残された親鳥たちは逞しく、

2日後には再び巣を完成させ、

卵を温めはじめました。

強い。なんて強いのでしょう。

そして雛が孵りました。

雛たちはグングン大きくなり

ひどい雨の日も風の日も飛ぶ練習に励みました。

ここまで育てば、

もう巣が襲われることもないし

例え襲われても大丈夫そうです。


そんなある日

玄関からつばめが飛びこんできました。


かわるがわる出入りするつばめたち。

声高らかに歌っているようです。

この日でつばめたちは

巣に帰ってこなくなりました。


お別れを言いに

玄関に飛び込んできてくれたのだ、と

家族で話しました。


これからつばめたちは

小さな体で海を越えて

台湾やフィリピン、マレー半島に

向かっていきます。

翌年も同じ巣に戻ってこれるのは15%。


どうかどうか頑張って。

一羽でも多く

無事に戻ってきてくれますように。


今年もうちに来てくれて

本当にありがとう。