高校生の次男は、置き忘れがひどいです。
傘はもちろん、サブバッグ、文房具、水筒、
あげたらキリがないのですが、
今回はお弁当袋を空のお弁当箱を入れたまま
どこかに置き忘れてきました。
2日ばかり学校を探したようですが
(本当に探したか疑わしいけど)
やはり駅だ、と言い、
ひとりパチパチ携帯を触ってるので
「早く駅に電話したら」
と言うと
「いま、駅に直電なんてないよ。」
とクールな回答。
忘れ物などの問い合わせは、
お忘れものチャットサービスで
やり取りするとのこと。
電話もあるようですが、20時までなので、
学校から部活、塾と続く次男は
チャットサービスに連絡したようです。
富山、石川、福井JRでの忘れ物は
金沢忘れ物センターに運ばれていくらしく、
金沢忘れ物センターに取りに行くか
着払い郵送とのことで、着払いを希望。
昔昔、私がJR通勤をしていた頃は
いつも使う駅とは
電話も駅員さんとも直に繋がれてたなぁ。
なんだか便利なような不便なような。
人とやりとりしているのか
AIとやりとりしているのか。
昭和育ちの私にはヤレヤレ感しか
ありませんでした。
次男がモタモタしていたために、
忘れた日から6日ほど経過し、
お弁当箱は戻ってきました。
空とはいえ、寒い時期とはいえ、
お弁当箱の中はどうなっているんだろう…と
ドキドキハラハラ、パストリーゼ片手に開けてみると
お弁当箱はキレイでした。
忘れ物センターの方が
まだ感染症もおさまらないこの時代に
誰のものかもわからない食べたあとのお弁当箱を
洗ってくださっていたのです。
このお心遣いに、胸が熱くなりました。
忘れものは、人の手で運ばれただけでなく、
誰かの優しい心もかけて頂いて、
家に戻ってきたのでした。
あまりに嬉しくて
送り先に書いてある電話番号に
お礼の電話をさせて頂きました。←これまた昭和な私
「よかった!お弁当箱、ないとお困りでしたよね。
またJRのご利用、お待ちしています!」
と、明るい声で答えて頂きました。
おかげさまで、
面倒に思うこともあるお弁当作りですが
お弁当箱を持つたびに
この優しい思い出が蘇り、
少しお弁当作りが楽しくなっています。
そして、次男をJRの駅に送るたびに
遠くまで延びるレールの先にある
忘れ物センターのことを想うようになりました。
いろいろシステムは変わっていっても
そこに携わる人の気持ちは
昔も今も変わらず、
私たちの体や荷物だけでなく
優しさまでも運んでくれる。
私も久しぶりに
電車の旅がしたくなっています。