年明け早々、
父が転倒し、顔面5針縫合、
右手指骨折、右半身打撲しました。

連絡を受けて大急ぎで病院に連れて行くと
「認知の人は、すぐ包帯勝手にほどくし
言うこと聞かんし、あー、厄介やなあ。」
と、何度も担当医に言われました。

1週間後、父はデイサービスを再開できましたが、
帰ってきた時、ズボンが変わっていました。
「お父さん、おもらししちゃって。」
父は右手が上手く使えず、手を洗う時に水道の水がかかってしまった、と言うのですが
「気にしなくていいですよ。
認知の方はよくあることですから。」

と、すごい笑顔で返されました。


父は今日まで勝手に包帯をほどくことはないし、

持ち帰ったズボンから匂いはしませんでした。


「みんながワシをバカだと思ってる。

でも、転ぶなんてなぁ、本当にバカなんやなぁ。」

と、しょぼくれる父を元気づけようと、
アメリカンドッグを作りました。

小さな頃、必ず父が縁日で買ってくれた

アメリカンドッグ。

私はそこまで好きではなかったのですが、

父が大好きで、必ず買ってくれたのでした。

中学生になり、父とは縁日に行かなくなり、

高校生になり、

仲良しの男の子と縁日に行くようになった私に、

「アメリカンドッグだけは食うな。」

と言った父。

しかも、守っているか尾行までしました。

他の仰天エピソードも多数あり、

周りの友達に、

「お父さんは心配症」というマンガを読むたび

くらむぼんちゃんのお父さん思い出す!と

笑われたことを、

父と久しぶりにアメリカンドッグを食べながら

思い出しました。

    画像お借りしました
マンガの女の子とは似ても似つかぬ
心配の必要のない大して可愛くもない私を
親バカ全開で心配してくれていた父。

あの頃の父とは変わってしまった部分は
確かにたくさんあるけれど
アメリカンドッグを運んできた私に、
「棒が刺さると危ないから、座って食べなさい」
と、昔と同じことを言いました。

「お父さんは相変わらず心配症やね。」
と私が言うと、
「違うぞ。なんか違う病気やぞ。」
と言う父に、
まさか心配症から認知症になるとは、と
ひとり心で思いながらも、
久しぶりに一緒に食べたアメリカンドッグは
今までで一番美味しく感じたのでした。
  ウィンナーをシャウエッセンにしたからかもしれんけど