うちのレモンの木で
勝手に子育てしないでね、と
庭で揚羽蝶を見る度に念じている私なのですが、
庭ではなく玄関先に、揚羽蝶が落ちていました。

見ると、羽が縮れていて、

とても飛べそうにありません。


羽化の時、

羽がうまく広がらない蝶がいるとは聞いていました。

羽が乾く前なら、霧吹で水分を与えるとよい、とも

あったのですが、もう乾いているようです。

せっかく蝶々になったのに、可哀想に。

この子は外では生きられない。

せめて、野原にいる気持ちになれるように、と

ハーブを置いてみると

ヨタヨタと自分でハーブに捕まりに行きました。

もしかして、と、薄めたポカリを

ハーブの花にかけると

飲んでいます😭

生きることを諦めない揚羽蝶。

こうしてポカリで育ててあげよう、と

夜帰ってきた家族で話していました。


が、今日。

飛んでは床に落ちて、を繰り返し、

なんとか玄関まで移動した揚羽蝶。

やはり外に出たいのかな、と

そっと庭の花の上に運んでみました。

ヨタヨタ足で歩き、

花の蜜を自分で吸い始めました。

風に煽られても、頑張ってしがみついています。


改めて見ると、羽は本当に無残に縮れています。

この羽では、やっぱり

普通の揚羽蝶と同じ時間を生きれるとは思えない、

私たちが家の中で守りぬいて

できる限り生かしてあげたい

せっかく生まれてきたんだから…

そう思う私のそばで、

揚羽蝶は必死に歩いて、次の花に向かいます。

生きる力のある子だな…。

羽は歪んでるけれど、生きることに真っ直ぐだ…。


そう思った時、ある友達が

くらむぼんちゃん、

縋ってくる人に

手を貸してあげることも優しさだけど、

縋ってくる人が

自分で頑張る力を持っていることを信じて

あえて手を引くことも優しさだよ

と、アドバイスしてくれた言葉を思い出しました。

自分で風を避けようと、

時間をかけながらも揚羽蝶は向きを変えました。


この子は大丈夫。

ちゃんと自分で生きる。

空は美しい夕焼けでした。

揚羽蝶は自分でまた体の向きを変え

夜に備えて、葉影に動いていきます。


私も気持ちの向きを変えて

ひとり家に入りました。