さて、脂質について、その2です。

前回の記事を読まれていない方は

是非、読んでくださいね。

必要な脂質はなるべく食材から摂取することがよく

調理に使う油は控えめにしたほうが良い

という内容です。

 

そして今回は、調理に使用する油についてです。

色々な情報があり、何が違うのかどう選ぶか

色々な意見があると思いますが、

 

油に含まれる成分から栄養を摂るとは考えなくてもよいのではと思います。

(栄養は食材から摂取すればいいので)

油はあくまで調理に必要な物として考え、

その為に、安全性や酸化しにくい物を選ぶ等を気にするのが良いと思われます。

(油に含まれる、抗酸化作用のあるポリフェノールやビタミンEなどの成分、

脂肪酸の種類で、酸化が防げるかどうかが分かるので、

含まれている成分を知っていると選ぶ基準になると思います)

 

安全性については、

実は、油の製法、というのが見落としがちな点です。

つまり、

油を抽出する方法(植物からどう抽出すか)で

成分が変化しているようなんです。

製法段階で危険な物質が作りだされてしまったりするのです。

後半に詳しく説明しますが、

そのことがわかると油選びの時に、

価格の違いの疑問や、どう選べばいいかが分かります。

 

「オレイン酸がいい」とか「ごま油が体にいい」とか

漠然としていてはっきりよくはわからないという方や、

知っているつもりで、製法迄は考えていなかったという方も

しっかり知って選択してくださいね。

自分の身体に入るもの(食べたものすべて)が、そのままあなたの体を作り、

あなたの健康を左右しています!!

しっかり選びましょう!

 

 

(調理に使用する)油について、

ネット上に色々な詳しい説明があると思います。

油メーカーなど、図つきで分かり易いと思いますが、

ただ、自社の製品のいいことだけをピックアップしているという事も

頭に入れながら見ていく事も忘れずに・・・

他の情報もすり合わせていくと、色々見えてきます。

(後半で説明します)

 

 

ザっと説明すると以下の通りです。

不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸に分けられ

オメガ3、オメガ6、オメガ9(炭素の二重結合が一つなのかどうかと、何番目で起こるかで分類される)

αリノレン酸、リノール酸、オレイン酸、(他パルミチン酸、ステアリン酸、アラキドン酸などにもありますが・・・)

 

体に摂取された脂質は、

グリセリンと脂肪酸3つで構成されていて、蓄えられます。

その脂肪酸には色々な種類があり、特性も違います。

 

その違いは

(脂肪酸は炭素水素酸素の原子で構成されていて、)

炭素(c)のつながりの違いにより種類や性質に違いがでる。

 

炭素(C)が一重でつながっていれば、飽和脂肪酸

炭素(C)が二十でつながれば、(二重結合)不飽和脂肪酸

 

不飽和脂肪酸は二重結合の数で一価or多価と分けられ、

一価ならオレイン酸

多価で、3個目の炭素が二重結合しているとn-3系 αリノレン酸

多価で、6個目の炭素が二重結合しているとn-6系 リノール酸、γリノレン酸など

分けられるようです。


近頃健康を害するとされるトランス脂肪酸は、

この炭素の二重結合の、どこに水素がつついているかで

「トランス」と「シス」と違ってきます。

 

「シス」は肉などに含まれる天然のトランス脂肪酸

「トランス」は油脂の製造過程で水素添加によって作られ、

体にダメージがあると言われるものです。

 

水素添加していないものでも

植物などから油を精製する過程で、

高温処理をする事でもトランス脂肪酸は出来てしまいます。

だから油の製法は気になる所なのです。

(詳しくはもう少し後で・・・)

トランス脂肪酸については、また別の機会に話します。

 

炭素の数とかつながり方と言ってもあまり馴染みがないと思いますが

上記のことで、脂肪酸の違いを見分けることができるようです。

とにかく、この違いで性質にも違いがあるので、

脂肪酸の性質の違いで油を選ぶのがいいと思われます。

 

たくさんある種類の中で、それぞれにいい要素や

特性などがあるので一概に良い悪いは言えないということもあります。

それぞれの植物のポリフェノールや活性酸素除去作用、その他の栄養素等含んでいる・・・

という事もあるので。

ですがその中で今回は選び方として、

 

前回の記事に記したように

脂質は食材から摂取することが基本で、

調理の為に少量を油を使用するというのが前提にあるので、

 

調理用に加熱目的で選ぶとすれば

「酸化しにくく加熱に適した油」という事で考えました。

 

そこで、

酸化に強いのは「オレイン酸」になります。

 

酸化しにくいだけでなく、

オレイン酸はHDL(善玉コレステロール)を下げないで

LDL(悪玉コレステロール)だけを下げると言われます。

 

リノール酸はコレステロールを下げると言われますが、

たくさん摂り過ぎるとHDL迄減らしてしまいます。

代謝物のアラキドン酸がアレルギーを起こす物質を生産し

ガンの発生に関わるとする実験結果のデーターもあるようです。

リノール酸は酸化しやすいとも言われる為、

不足しては障害がありますが、たくさん摂ると弊害があるので

食べ物で摂るようにする方が望ましいと思います。

(大豆などに含まれます)

 

αリノレン酸は青魚に多く含まれます。

酸化しやすい為、調理を工夫してなるべく食材で摂ることがいいと思います。

どうしても食べられなければ、エゴマ油や亜麻仁油で摂ります。

加熱に弱く酸化しやすいので、加熱せず調理しましょう。

 

油というのは全般に言えるのが、酸化しては体に悪影響になるので、注意が必要です。

酸化して過酸化脂質になると、血管を攻撃します。

 

ですから、オレイン酸だとしても保存方法や使用期限は注意が必要です。

開封するとどの油も酸化の速度は加速されます。

多量に買い置きしないで、保存は光を避け、

自分の使用量に合わせて少量ずつ購入するのがいいようです。

 

オレイン酸を多く含む油が酸化しにくく(熱にも強い)ビタミンEも多く含むので

抗酸化作用も期待できます。

 

オレイン酸が多く含まれる油は

「オリーブオイル」「菜種油」「米油」「紅花(ハイオレイック種)」です。

(紅花の品種はリノール酸が多く含まれているタイプとオレイン酸が多く含まれるタイプと2種類あるので

オレイン酸を多く含むタイプがいいと思われます)

 

(これらの油の成分中100%がオレイン酸という事ではなくオレイン酸の割合が多いいという事です。

油には複数の脂肪酸が含まれていて、その割合で分類がされています。)

(オリーブオイルには75%のオレイン酸が含まれていると言いますが、

少量のリノール酸やαリノレン酸も含まれているのです。)

 

 

ここで・・・

ただオレイン酸を多く含む油を選べばいいか、といったらそう簡単な事ではなく

前述した通り、「どう抽出されたか」(製法)でその成分は違ってきてしまうので

「油の抽出方法」チェックしたほうがいいと言えます。

 

本来は植物を圧搾して油を抽出します。(ギュウギュウ絞るやり方です)

時間も手間もかかります。その為価格も上がります。

絞ったままは、植物の色素や固まる成分(ロウ)も残ります。

(色素はカロテンやクロロフィル等、体にいい成分なのですが

無味無臭を好み、色付きだと不純物とみなし雑味ととらえる傾向が日本人にはあるようです)

その為これらの成分を取り除いてしまうのが現代の製法です。

 

現代の油の製法は、

ヘキサンという石油溶剤で浸し、根こそぎ抽出しています。

短時間に大量にできるので大量生産が可能なので

昔ながらのやり方に比べ、コスト削減できるやり方です。

ヘキサン自体は有害物質なので

ヘキサンを取り除くために高温で処理し蒸発させます。

そのヘキサンを集め、また次に使用するようです。

そこで、

ヘキサンは体に悪いのではという疑問や

高温にした時に酸化されトランス脂肪酸が発生するのでは

といった心配がされています。

ヘキサンは除去されると言われていますが1PPmまで下げるとしていて

少量は残るようなのです。メーカー側は健康を害する量ではないとしているようです。

皆さんはどう感じますか?


米油は圧搾しにくいようなので

ほとんどが有機溶剤抽出法になるそうです。

 

菜種油は、上記のように精製されるとアブラナ科に見られる

「エルカ酸」「グルコシノレート」という有毒物質が発生される為、

カナダで「キャノーラ油」に改良されたのですが、

遺伝子組み換えであることや、有機溶剤抽出法なので

トランス脂肪酸の発生が懸念されています。

 

こうしたことから日本でも菜種の改良が取り組まれ、

遺伝子組み換えでない方法で、

エルカ酸のない、低グルコシノレートの品種ができたそうです。

 

ただ、このエルカ酸に関して、

心臓に悪いと言われるが、マウス実験であり、

マウスに起きた疾患は血管性のものでなく心筋の壊死であり、

菜種油だけでなく他の油でも起こし、

他の動物では壊死は起きなかった。そして

菜種油を多く食した人、(菜種油でなく)エルカ酸を含む油を多く食べた人

比較として魚類を多く食べた人の中で心疾患で亡くなった人の心臓を解剖した結果、

心臓の壊死は見つからなかったとした意見もあり、

エルカ酸と心疾患の関連は色々と意見が分かれるようです。

 

これも高温処理しなければ心配はないので、

圧搾法の油を選び、調理もあまり高温にせず食材に火が通ればOKなので

さっと火を通すという調理がいいようです。

揚げ物は極力控えた方がよさそうです。

(内臓脂肪を溜めない為にも・・・)

 

昔ながらの圧搾法は、それだけ手間も時間もかかるので、価格は上がります。

良質の油は胸焼けも起こさずに食せると言いますし、

健康を考えればその価値はあるように思います。

後に病気になって医療費がかかりことを思えば・・・

痛い思いもつらい思いもするだろうし・・・

どう考えますか?

 

 

比較的、好印象なのがオリーブオイルと言えます。

こちらも混ぜ物がなく絞っただけのオリーブオイルがいいと言えます。

オレイン酸も高濃度に含まれています。

スペインでは生産量が多く国で厳しく規制が行われているといことで

(世界中のオリーブオイルの3分の1がスペインで生産されているそうです)

エキストラバージンオリーブオイルと表記できるのは

混ぜ物のない一番搾りのオリーブoilのみだそうです。

摘み取ってすぐに絞らないと酸化するため、時間も守られていると言います。

酸度も表記されています。

 

 

これらがoilを選ぶときに気を付ける点だと思います。

油の種類、その特性、それから抽出方法も気にしてみて下さいね。

自分の感覚も大事にして下さい。

健康に気づかっていると、感覚が冴えてきて

いいものを見分ける力もついてきます。

 

最後までお読みいただきありがとうございます!

皆様の健康をお祈りしています♪