あーちゃんを妊娠した時
「そうか、これで俺も
おじいちゃんか‥‥」
と目尻を下げて
待ちわびていた義父。
でも生まれた子は
1000g足らずの
超未熟児。
その上ダウン症の告知。
義父の中でも
いろんな複雑な想いが
あったことだろうに‥‥
あれはあーちゃんが
小児病院のNICUに
4ヶ月間
入院していた時のこと。
片道2時間半かけて
私の家まで迎えにきて
心身ともにボロボロの私を
病院まで車で
連れて行ってくれた義父。
義母の作った
お弁当と共に。
「いっぱい栄養摂って
精を付けろぉ~
あーちゃんにいっぱい
母乳あげなきゃ
いけないからなぁ~」
そしてあーちゃんとの
面会が終わる
数時間の間
ずっと病院の駐車場で
待っていてくれた義父。
帰りの車の中で
私は義父にこう言った。
「お義父さん‥‥
迷惑かけて
ごめんね‥‥」
その言葉に義父は
こう答えた。
「なぁに水臭いこと
言ってるんだぁ~
あんたはもう俺の
”娘”になったんだから」
そしてクシャっと
微笑みかけてくれた。
私は声を上げて
子供のように泣いた‥‥。
お義父さん
私たちはあの瞬間から
「本当の親子」になれた
そんな気がしたよ。
送ってくれたその数回で
私は「自分の足で歩く」
強さを教わりました。
それからはもう
「義理」という言葉は
いらなくなったね。
私にとってあなたは
「おとーさん」と
甘えさせてくれる
そんな存在になりました。
困った時はいつでも
飛んできてくれた。
二人でいっぱい
長電話もした。
「おとーさんと私」は
親子であり、
心友でもある。
いくつになっても
たとえどんな
姿かたちになっても
あなたは私にとって
かけがえのない
大好きな
「おとーさん」です。
あなたの娘になって
今年で16年目。
私は「おとーさん」の
娘になれて
本当に良かった‥‥
父の日の今日
すべてのおとうさんに
感謝の気持ちを込めて
この歌を贈ります‥‥。
「蝉しぐれ」