仰向け抱っこがよくない理由 | うさもるねこ生活

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今回は、ちょっと飼育のお話。
時々、気の向くまま、ふと書く飼育の話ですが、興味があれば・・・。
 
 
唐突ですが、うさぎさんの仰向けの姿勢がよくないと、よく言われていますが、なぜいけないと言われているのかご存知ですか?
 
それには、ちゃんとした理由があります。
 
まず、うさぎの背骨はカーブを描く形となっていて、まっすぐな仰向けにするのは無理な姿勢であり、うさぎにはとても負担がかかるのです。
故に、無理やり仰向けにし、さらに地面が硬かった場合はうさぎにとって背骨にかなりの負担をかけることになります。もし、その状態で驚かせたり、負担をかけたりすると、うさぎの背骨が簡単に折れてしまうことさえあるのです。こわいですよねあせる
骨質を薄くすることで、体重を軽くし身軽に動けるようなからだになっているのですが、体重に対する骨質量は猫の約3分の1を言われ、ウサギが骨折しやすいと言われるのも、そのためです。
 
また、問題は背骨だけではありません。内臓にも負担がかかります。
うさぎの内臓は小さく、本来ではありえない姿勢をとることで、とても苦しい思いをします。
抱っこの際に、お腹を強く抑えてはいけないのも同じ理由です。
 
出典 : @ayatanponpon
 
 
また、仰向け抱っこをすると、じっとしている、眠そうにしている、リラックスしているようにみえる・・・など思う人もいるかもしれませんが、それは、人間の勝手な勘違いで、実は、動けなくなって、もしかしたら気絶しているからかもしれません。
 
仰向け抱っこですが、難しい言葉でいうと、仰臥位(ぎょうがい)といいます。
この仰臥位については、「 仰臥位による動物催眠中の屈曲反射の抑制とその抑制中枢 」 (1979年・昭和大学医学部第一生理学室)の論文の中で、以下のように記載されています。
 
動物を仰臥位にすると、動物は不動化し、カタレプシー(※)様状態をとるが、これは動物催眠不動化反射等を呼ばれ、昆虫から哺乳動物に至るまでの多くの動物の系にみられる現象である。
入手し易い動物のうち、カエル、ニワトリ、モルモット、家兎などに、この現象がよく現れるので、動物催眠の研究によく用いられる。
 
※カタレプシーとは、受動的にとらされた姿勢を保ち続け、自分の意思で変えようとしない状態である。強硬症(強梗症)、蝋屈症とも呼ばれる。緊張病症候群の一つで、意欲障害に基づくもの。
 
仰臥位の姿勢は、本来、日常的にありえない姿勢なので、うさぎにとっては、非常にストレスに感じる姿勢でもあります。カタレプシー様になるということからも、極度の緊張状態になっていると言えるのです。
捕食動物であるうさぎにしてみれば、自らの意思ではなく、受動的に仰向けにされることが、死を意味することで、実際に仰臥位になった時に、おとなしくなるのは、怖い、死ぬのを覚悟しているくらいに思っている子もいるということを、忘れてはいけないと思います。
 
一方、そうはいっても、うさぎを仰向けにしないといけない時もあります。
受診や検査、体調をチェックする際です。
例えば、足裏のソアホック(足底皮膚炎)のチェックや、お尻(下痢をしていないか?汚れていないか?)
お腹が赤くなったり、毛が脱毛していないか?などは、仰臥位の姿勢の方が、しっかりみることができます。
医療機関に定期的に受診をされるなら、獣医さんにチェックを任せればよいと思いますが、飼い主自身も日頃からチェックしたいのであれば、仰臥位の姿勢に慣れさせるトレーニングをするのも、必要かもしれません。
しかし、嫌がって大暴れすることもありますし、その日の気分で、よかったり、嫌がったりする子もいます。
嫌がって暴れた際に、骨折してしまうなんて子もいますから、かなり注意して行わなければいけないと思います。
 
ちなみに専門店で、よく爪切りをする際に仰臥位をしているお店をみますが、爪切りは、わざわざ仰臥位をとらなくてもできます。仰臥位をとるのは、最初に書いたように、カタレプシー状態になるので、そのすきに切るということでしょうかね・・・。その場合は、極力短時間で、すますようにしなければならないと思います。ちなみに、かかりつけの先生なんかは、そのままの状態で保定して、パツパツカットしていきます。
わたしも、マネしてやっているのですが、仰向け抱っこしなくても、イケます照れ
 
ずっとのおうちに卒業したカブくん改め、カイくんの爪切りは、こんな姿勢でしていました。
 
 
うちの子たちも、そのままの姿勢でイケます。
もちろん、なかなかじっとはしてくれないので、時々動いてしまいますが・・・。
 
あと、ご機嫌が悪いときは、無理にやらない。
または、縦抱っこのような姿勢で、頭を下に下げない姿勢をとり、二人がかりでするなど、工夫されてもよいかと。
 
ちなみに仰向け抱っこしないといけない(テトくんのソアホックのケアの際は、してました)こともありましたが、その場合も、胸に抱えるようにして、体をくっつけるようにして仰向けにする・・・(言葉で書くとイマイチつたわらないけど)なんてやり方があるので、その方法でやっていました。(以前、アトラスの保護主さんで、ましろと一緒にの保護支援活動をされていた、Aさんから教わりました)
 
 
さらに・・・うさぎだけでなく、モルモットや他の小動物でも同じことが言えるかと思っています。
たまに、SNSなどで、うさぎやモルモットを仰臥位にしている画像などをみると、個人的には、大丈夫かな?とドキドキしてみてしまいます。
おとなしいですねーとかコメント入ってたりすると、そりゃ、生物学的にそうなるんじゃよ・・・とつい、ツッコミいれたくなります・・・照れ
 
いずれにしても、無理に仰向けの姿勢にするのは、避けるべきで、もししなければならない時は、短時間でするようにしなくてはならないと思います。
当のうさちゃんたちは、自分の言葉で意思を表現することができませんので、負担や気持ちに寄り添い、接することが大事ですよね。
なお、心臓の悪い子(心肥大など)や呼吸器疾患の子にとっては、仰臥位は苦しいだけなので、絶対避けるべきだと思っています。
 
 

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