ちょうど1週間前の今日。このblogに登場した辺見庸・著『もの食う人びと』を読み終えた。


どんな本?と聞かれ、いざ読書感想文を書けと言われても、正直どう表現していいか分からない。
「面白い本」ではなく「とても興味深い」本。



92年末~94年春にかけて、著者が目で皮膚で舌で足で感じた何か。

それは、20年近く昔の話だろう。今とは違うさ。
という自分の中の世界観や常識を、いとも簡単に否定してしまう。




途中、何度も読み返してしまった、1947年まで残留日本兵が潜んでいたミンダナオ島の一文。


『途中に掘っ立て小屋があった。
「ここからも農民が連れていかれた」
老人がつぶやく。
ふもとのインタバス村まで私を乗せ、そのまま同行してきたトラック運転手が「行く先は皆連中の鍋のなかだったよ」と冗談でなく言った。』




少し、モノの見方が変わったかも。




さっ、次はyukarinnさんに薦めてもらった『チャンス』を読もっと。