真夜中の病院 | mimiのブログ

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脳梗塞から2年半。
後遺症は感覚麻痺。見た目は元気そのものです。
最近少しずつ、元気に過ごせる日が増えていると思います。
30年間続けた仕事を退職して、新しい仕事に挑戦中です。
まだまだ人生これからだ!!!

 救急車から降ろしてもらって、(自分で歩いたのか、担架だったのか???覚えていない。自分で歩いたような気がする。)とにかくまず「コンサルティングルーム」というところに入りました。

カーテンで仕切っただけの小さな部屋があってドクターが来るまでそこで事前の質問などを受けます。

一番大切なことは、「支払を速やかにすること」でした。

なんにも治療を受けていなくても、「デポジット」を要求されます。つまり「前金」です。

これが支払えない患者は病院にとっては「支払のできない迷惑な患者」ということになりますから、診察してもらえません。フィリピンの病院はシビアです。お金が払えなければだめなのです。

また、薬もすべて、そのたびごとに「・・・の薬ですが、どうしますか」と尋ねられて、自分で購入します。注射一本でもそうです。お金が支払えないと、注射もしてもらえません。

そういうことは、以前フィリピンで3年間暮らしていた時に、自分も何度か医者に行ったり、知り合いが入院した時の様子を見たりして知っていました。同時に、病院でどんなことを尋ねられるかとか、どんな英語でそれは表されるかなどの知識も多少ありました。

初めてだったら、もっともっとパニックだったと思います。


たまたま現地のお金とドル紙幣を持っていた私は、無事に「デポジット」を支払い、「患者」としてみなしてもらえたようです。これまでの病歴やアレルギー、現在の症状などを次々に質問されます。身長と体重も測定しました。一通り質問が終わると、「頭痛薬です」「ドクターはもうすぐくるので待ってください」などと指示され、あとはドクターをじっと待っていました。


 その間にも、つきそってきてくれた彼女は、デポジットの支払いを初め、薬を買いに行ってくれたり、入院の手続きをしてくれたり、病室に私の荷物を運びこんでおいてくれたり、といろんな仕事をテキパキとこなしてくれたようでした。そのときは、そんなことは全く気付かなかったのですが、あとで考えてみるとそうでした。彼女がいてくれなかったら、そういうことを全部自分で采配してやらねばならなかったわけですから、本当にありがたいことです。そして、私のそばにいてくれて、「もうすぐドクターが来る」とか、「この人が担当のドクター」だとか、いろいろなことを教えてくれました。

 

 私はそんな間にも、心細さと不安で、涙がでて仕方がありませんでした。涙がこぼれるたびに拭いてくれ、「大丈夫」と微笑んでくれた彼女がいてくれて、どれだけ心強かったか。感謝の言葉がありません。

 

 待っている間に点滴が始まり、ドクターに問診されて、「特別室にはいらなければいけないから」ということで、さらにデポジットを求められ、いったい入院にはどれくらいかかるのだろう・・ととても不安になりましたが、とにかく支払いをしてもらいました。

 実は一週間滞在していたホテルが、たまたま現金払いのホテルだったために、ふだんよりたくさん現金をもっていたのです。そうでなければとても支払えなかっただろうと思います。後で確認すると、カードでも支払えたようでしたが、そのときは、「とにかく今払わなければ診てもらえない」という強迫観念にとらわれていて、無事支払えたことで、本当にほっとしました。


そのあと、「コンサルティングルーム」をでて、「集中治療室」に移りました。