日本は火山灰地で、飲み水や野菜にもカルシウムが少ないため、
食生活ではカルシウムを含む食品を意識的に多めにとる必要があります。
カルシウムをとりやすい食品には、
牛乳と乳製品、小魚類、豆類と豆製品、切り干し大根、緑色野菜などがあります。

成人が1日に必要とするカルシウム所要量は600mg
厚生労働省が定めるカルシウム摂取量の上限は、1日あたり2500mgです。
カルシウム製剤などを大量に飲まない限り、ふつうの食生活ではこの量を超えることはまずありません
カルシウムは体内での吸収率がよくありません。
もっとも吸収がよい牛乳でも50%程度、ほかの食品では20~30%程度です。
しかも年齢とともに吸収率が悪くなるので、
中高年の場合には摂取量の目標は1000mg程度は必要です。
カルシウムの吸収を高めるには、ビタミンDの働きが必要です。
ビタミンDは、イワシなどの青魚類やきのこ類に多く含まれています。
また紫外線を浴びると、体内でビタミンDがつくられます。

カルシウムの吸収や働きを妨げる要因
リンは、骨へのカルシウムの沈着を助ける役割をしますが、
とり過ぎるとカルシウムを体外へ排出する作用もあります。
リンは食品添加物として、インスタント食品や清涼飲料水などに多く含まれています。
またカフェインやアルコールも、腸でのカルシウムの吸収を妨げます。

マグネシウムも必要
マグネシウムが足りないと、体内でカルシウムがうまく働かないことがあります。
マグネシウムは骨、筋肉、神経などで、カルシウムの出入りを調整する役割をしています。そのためマグネシウムが不足すると、カルシウム不足と似た症状(足がつる、だるい、イライラするなど)がみられます。
マグネシウムの所要量は1日あたり300mgで、カルシウムの半分です。
緑黄色野菜のほか豆類、海藻類、ナッツ類などに多く含まれています。

カルシウムの吸収経路
カルシウムは胃液により可溶化され、イオン状となり十二指腸で吸収されます。
血液中のカルシウムの濃度は9~10mg/dlで、一定以上のカルシウムの摂取は排出されます。
血液中のカルシウムの濃度が低下した場合には、腎臓で生成される活性ビタミンD3によって十二指腸のカルシウムポンプが作動し、カルシウムの吸収が促進されます。

食生活で、カルシウムの摂取量が不足すると、
生命維持のため骨や歯から(悪玉)カルシウムイオンが溶け出し
ます。
それをつかさどるのが副甲状腺ホルモンですが副甲状腺ホルモンがいつも出ていると、骨から過剰に(悪玉)カルシウムイオンが放出され、余分な(悪玉)カルシウムイオンが血管や脳、軟骨など通常はカルシウムが存在しないところまで入り込んでしまい、
さまざまな病気が引き起こされる事になり、
これをカルシウムパラドックスといいます。

つまり食生活でカルシウムが不足すると、骨や歯から(悪玉)カルシウムイオンが溶け出し、体内(細胞、脳、血管、臓器)では(悪玉)カルシウムが増えすぎる
その結果骨はもろくなり、身体の細胞は硬く
なります。


カルシウムが不足すると結石ができやすくなる
腎臓結石、胆嚢結石・膀胱結石・尿管結石などは、カルシウムの過剰摂取が原因ではなく、
実際は逆でカルシウムが不足する事で骨から(悪玉)カルシウムが溶け出し、
それが結石を作る事がわかって来ました。
カルシウムイオンを充分摂っていれば、
副甲状腺ホルモンにより骨からカルシウムを取り出す必要がないので、
尿へのカルシウムのでかたが少なくなり腎臓結石は少なくなるといわれています。
しかし、腸の働きが非常に良すぎるためカルシウムを取れば摂るほど吸収し、
血中に入って尿にも出てくるような特異本質の人もごくまれにいて、
そういう人はカルシウム剤をひかえたほうがよいのです。
腎臓結石のある人は検査で、どのような種類の結石であるかしることです。



カルシウムが不足すると動脈硬化になる!
血管は必要に応じて伸び縮みし、血液の流れる量を調整しています。
動脈硬化は血管が硬くなって柔軟性を失う状態です。
硬くなった血管の多くは、血液中のカルシウムイオンが不足し骨から溶け出してきた(悪玉)カルシウムがコレステロールを血管の壁に付着し石灰化させたものです。
進行すると血管が狭くなり、血液が流れにくくなって高血圧症を引き起こし
心筋梗塞や脳梗塞の危険性
を高めます。
勢いよく流れてくる血液が、硬く脆くなった血管にあたり、血管が破裂したり、
血液の流れを食い止めて血管の一部が突き出して風船のように膨らむことがあります。
これが動脈瘤(りゅう)です。
普段から充分なカルシウムイオンを摂っていれば、
骨から溶け出た悪玉カルシウムをつくらずにすみ血管を丈夫に保つように働きます。


カルシウムは血圧を下げる作用がある
高血圧は代表的な生活習慣病であり、狭心症や脳卒中などの原因になります。
その原因は遺伝的なものと食塩摂取量が関係しているといわれていますが、
近年カルシウムに降圧作用があるとわかってきています。
カルシウムによる降圧効果は徐々に現れ、
降圧剤のように急激に血圧を下げることがないため安心だといわれています。


糖尿病とカルシウムの関係
糖尿病はすい臓で作られるインスリンというホルモンが足りなくなる病気です。
その原因は様々ですが、
インスリンをつくることができなくなり、太りすぎてインスリンの必要量がふえたのに分泌が間にあわない場合、
インスリンを生産してもその働きが充分に現れない場合、
インスリンの働きを邪魔するものが体の中にでてくる場合があります。
糖尿病の人の尿を調べてみるとカルシウムイオンが多量に発見されます。
糖尿病の人は尿から大量のカルシウムが捨てられ、
体からはカルシウムイオンがどんどん少なくなっていくる傾向にあるのです。
インスリンを細胞から引き出すお手伝いをするのがカルシウムイオンなので
カルシウム不足の状態ではすい臓のインスリン分泌も、降血糖効果も鈍ってしまいます。


カルシウムと肝臓の関係
肝臓はタンパク質の再合成、糖分の分解、ホルモンの代謝など多くの働きをします。
また肝臓の3分の2を切除してもまた元に戻るという再生能力を持っています。
肝臓の細胞が障害される時最初に起こってくるのは、
細胞を守っている細胞膜の働きが悪くなり、
細胞の外にある(悪玉)カルシウムイオンがどんどん中に入り込んでいくのです。
あまりたくさんのカルシウムイオンが細胞のなかに入り込むと細胞は死んでしまいます。
肝臓病にも免疫がからんでいますので、手遅れにならないためにも
日頃から細胞の材料となる良質のタンパク質、カルシウムを摂取し、細胞代謝を活発にしましょう。


慢性関節リウマチとカルシウム
慢性関節リウマチは、朝起きた時の強い関節のこわばりと痛みが特色で、
全身のどの関節でも侵し、関節の変形と慢性の痛みが起こりす。
原因はいろいろありますが、
慢性関節リウマチの人は、力ルシウムイオンの吸収を促進するビタミンDの働きが弱く、
カルシウムイオンを自ら吸収することが苦手になっているため、
更に免疫力を低下させという悪循環を繰り返しています。


免疫とカルシウム
人の体に外から細菌やウィルスなどよそ者が入ってくると、
カルシウムイオンがすばやくキャッチし、細胞に信号をおくり
細胞の中で武器(抗体)が造られ撃退するので、
カルシウムイオンが不足していると、外敵が侵入してきもうまく信号が送れず、
誤った情報が流れたりして混乱を招きます。
自分の体の中の成分を誤ってよそ者と判断してしまった場合におこるのが自己免疫疾患です。
自己免疫疾患が血管や結合組織などにおこれば、
膠原病や血管炎などの疾患の1つの原因ともなります。
がん細胞などの増殖を抑え込む事も難しくなります。


アレルギーとカルシウム
外敵を退治するシステムが大げさになりすぎ、余分な反応がおきてしまうのがアレルギーです。
つまり、アレルギーは体を守るための防御反応が過剰に働いたもので、
それが喘息やアトピー性皮膚炎です。
体内でのカルシウムイオン(アルカリ不足)の減少が
過剰防御反応を引き起こす原因の1つです。


更年期障害とカルシウム
更年期障害は、女性の生理が停止する閉経をむかえる期におこる体の障害です。
閉経と共に、女性ホルモンの分泌が急に少なくなると、
自律神経の失調につながり、肩こり・腰痛・不眠症・便秘・骨粗鬆症・肥満・むくみ・イライラ・情緒安定などがおこってきます。
男性にも更年期障害はありますが、男性ホルモンは徐々に減るので、女性ほど変調はみられないのです。
骨粗鬆症と女性ホルモン
骨粗鬆症とは、カルシウムイオン不足によりそれを補おうと長期にわたって骨を溶かしてしまうため、
骨が軽石のようにスカスカ穴のあいた状態になることです。
女性ホルモンは、カルシウムを骨から引き出す副甲状腺ホルモンに対抗して、
カルシウムがでていきすぎるのを防ぐほか
カルシウムの吸収を促進したり、尿として体外へでてくのを減らす働きをします。
閉経すると急に女性ホルモンの分泌が低下するわけですから、
骨からのカルシウムを必要以上に溶かしてしまうのです。


イライラとカルシウム
イライラはカルシウムイオン不足が大きな原因といいます。
砂糖の入った甘いお菓子やジュース・スナック菓子・インスタント食品は
体内のカルシウムを追い出すので、カルシウムイオンはますます減る一方です。


脳の中に(悪玉)カルシウムが増えると
脳細胞の働きが阻害されたり、細胞自体が傷つけられたりするため、
記憶障害や認知症、アルツハイマー病などを発症しやすくなります。


軟骨に(悪玉)カルシウムが入り込むと
軟骨は古いゴムのように硬くなり次第にすり減って行き、
骨と骨が直接ぶつかって痛みの出る
変形性関節症を引き起こします。





私の母親はヨーグルトは食べていましたが海藻類や納豆も食べず
典型的なカルシウムやミネラル不足で、
畑の野菜と魚中心の粗食だと言ってました。

50歳から高血圧
65歳で大腿骨骨折
その入院の際、脳梗塞発症
総入れ歯で
白内障の手術もし
極度の骨粗鬆症で
77歳で背骨の圧迫骨折
その入院の際にとった画像でヘソの位置に腹部大動脈瘤直径5センチを発見。
血管内は石灰が硬くこびりついていたるところ狭くなっていて、
ドリルで石灰を壊し、金属の管をふくらんだ血管に入れるステントグラフト内揮術という手術を受けました。
開腹ではなく、穴を4つ開ける腹腔鏡手術です。


どうみても、
カルシウム不足のためにカルシウムパラドックスが起こり
悪玉カルシウムが血管内に増え
それがコレステロールと結びついて
血管内にこびりついて石灰化し血管が詰まって
血管がふくらみ動脈瘤になった
と思います。
運よく、圧迫骨折の入院で内臓の画像をとり発見されましたが
入院がなければ、大動脈瘤が破裂して死亡してたかもしれません。


このように、動脈硬化があったり
大動脈瘤などがあっても異常が出ないので気が付かない
のです。

いま症状がないから大丈夫ではなく
日頃から、意識してカルシウムやミネラル
それの吸収をよくするビタミンも
積極的にとりたいものですね。



なお、お勧めサプリメントは
こちらにのせてます下差し
栄養学入門ミネラル編、お勧めサプリメント


こちらも読んでね下差し
動脈硬化予防の食生活