
大阪・関西万博が閉幕してしばらくたちましたが、なんとなく寂しい気分が続いています。
そこで、万博記念公園の EXPO’70パビリオン と「 河森正治 創作展 ~万博・合体・変形・未来~」に行ってきました。
EXPO’70パビリオン ― 55年前の万博をたどる
「人類の進歩と調和」をテーマにした1970年の大阪万博。その記録を今に伝えるのが、鉄鋼館を再利用したEXPO’70パビリオンです。
入館してまず驚いたのは、想像以上に人が多かったこと。年配の方が多く、もしかすると、当時、実際に来場された方もいらっしゃるのかもしれません。
スカート短い。今回の万博はユニセックスな制服が多かったのと対照的です。
恐竜の立ち姿にも時代を感じますね。いわゆるゴジラスタイル。
ジオラマを見ると、会場の広さが実感できます。建物の外観もとても個性的でした。
2025年の万博は、リングの内側に主要施設をまとめ、高さ制限も設けられていたこともあって、全体として調和が感じられましたが、70年の万博はもっと“雑多な活力”という印象でした。開場内の通路は広くまっすぐで、見通がよさそうです。
対して、今回の万博は海に浮かぶ島々をイメージした設計ということで、混雑時は歩きづらかったり、森に迷い込んで出てこられなくなることもありました。それも景観としてはとても魅力的でしたが、動線の効率だけでいえば、当時のようにまっすぐ伸びる道路のほうが合理的だったのかもしれません。
EXPO’70の展示の中で特に印象に残ったのは、「各パビリオン入館者トップ10」。
1位のソ連館はなんと2,800万人!
大阪・関西万博全体の来場者数とほぼ同じです。
一体どうやってそんな人数をさばいたのか気になりますね。今回の万博では、UAEのパビリオンがいつも比較的空いていて“オアシス”のような存在でしたが、当時のソ連館もそんな感じだったのでしょうか。
展示紹介からは、当時の国力を前面に打ち出す迫力が伝わってきます。規模も非常に大きかったようですね。
河森正治 創作展 ― 「いのちをめぐる冒険」を鑑賞
続いて向かったのは、EXPO’70パビリオンのホワイエで開催中の河森正治 創作展。
シグネチャーパビリオン「いのちをめぐる冒険」のプロデューサーの創作に関する展示で、パビリオンの展示内容の映像も見られるということで、楽しみにしていました。
私は「ANIMA!」の方の体験はしましたが、「超時空シアター」は抽選にも参加しませんでした。VR酔いがひどいので避けていたのと、13歳以上限定だったため、子どもが見られないこともあってあきらめていたのです。
今回、その「超時空シアター」の映像を初めて鑑賞することができました。
正直、平面モニターで見ても少し酔うような映像でしたが、それ以上に印象的だったのは内容の“重さ”。不安をになるような、どこか怖い感覚がありました。
万博会期中は「没入感が強いから年齢制限があるのだろう」と思っていましたが、むしろ内容的に子どもには見せない方がいいという判断だったのかもしれません。
映像と音楽の美しさの裏に、「いのちの循環」の厳しさや儚さが描かれていて、考えさせられるものでした。
河森さんは10歳のときに大阪万博(1970)を訪れ、その体験が強く心に刻まれているそうです。うちの子どもの心にも、今回の万博の体験が何か残ってくれたらいいな、というようなことを思いました。
こちらの展示は2026年3月1日まで開催とのこと。
大阪・関西万博の期間中に河森パビリオンに入ることができなかった方や、あの世界観をもう一度感じたい方におすすめです。料金は1,000円。現金のみです。
スタンプも押せます。
私はスタンプがあるのを知っていたのに肝心のスタンプ帳を忘れてしまい、今回はチケットの裏に押すことになってしまいました。
私にとって万博記念公園は“自然を楽しむ場所”というイメージでしたが、万博が閉幕したいまは、夢洲の跡地がこれからどうなっていくのかを思い描きながら歩く場所にもなりました。
静けさの森を中心に公園化する構想も耳にします。リングの下の道は、できれば円形のまま歩ける形で残ってほしいな、と考えています。













