
なかなか予約が取れないことで知られるシグネチャーパビリオン「null²(ヌルヌル)」。
メディアアーティストの落合陽一さんがプロデュースし、「いのちを磨く」をテーマにしたこの建築は、ボクセル(立方体)の集合体を柔らかいミラー膜で覆った、まるで生きているかのような動的構造です。
その動きや映り込みによって、見る人の感覚を揺さぶる、不思議な存在感を放っています。
そんなnull²の目玉コンテンツである「ダイアログモード」は、AIと対話しながら自分自身や意識と向き合う深い体験ができることで注目されていますが、予約は非常に困難。
私もいまだ入館できていません。
そんな中、「ウォークスルーモード」という予約不要な新しい鑑賞方法が登場したと聞いて、少しでも中に入れるならと足を運んでみることにしました。
一歩も足を踏み入れられないまま万博が終了してしまうのは、やっぱり寂しいですからね。
ウォークスルーモード体験
ウォークスルーモードは14時半からスタート。
私たちは14時ごろに到着しましたが、すでに人がどんどん集まり始めていて、すぐに列が形成されました。
ここからが長かった!
真夏の太陽に照らされながらじりじりと待ち、14時半すぎ、2巡目でようやく中へ。
立っているだけでも汗がだらだら流れ、かなり過酷な待ち時間でした。
中に入ってみると、ウォークスルーモードはその名の通り、映像を見ながら通り過ぎるというもの。
私が見たのはモルフォ蝶をモチーフにした美しい映像でした。
入ってから1~2分で退出なので、「あ、もう終わった?」というのが率直な感想でしたが、待っている間にスタッフの方が建物の素材や動きの仕組みを説明してくださったのがとても面白かったです。
その後のインスタレーションモード
そして、嬉しいサプライズ。
なんとその後、当日予約開放で「インスタレーションモード」をゲット!
夜の時間帯、花火のあとでごったがえす人の波をかき分けて再びヌルヌルへ。
昼間と同じ部屋に入ることになったのですが、今回は内部の機械が動いて、映像がヌルヌルと変化していました。
なんというか……粘菌的な?細胞のような?
そんな印象を受ける、不思議で、ちょっと気味の悪さもある映像体験。
美しいんだけど、どこか不安を感じるような、夢に出てきそうな映像でした。
このインスタレーションモードは、ダイアログモードに比べると比較的予約が取りやすく、朝の時間帯には予約なしで体験できることがあるようです。
実際、朝9時40分頃に通りがかった際は、「今なら入れますよ〜」とスタッフの方が呼び込みをされていて、ふらっと立ち寄れそうな雰囲気でした。
ダイアログモードへの憧れ
2つのモードを体験して、やっぱりダイアログモードに入りたいという気持ちは強くなりました。
このモードは、事前にアプリで自身の3Dモデルを登録し、AIと対話しながら「いのち」や「自己」を問う体験ができるという、まさにnull²の本質。
でも、万博閉幕まであと2か月ちょっと。果たして予約が取れるのか……。
心のどこかでは、もうあきらめムードです。
できれば会期後に一般公開や有料体験があればうれしいですね。 個人的には「3000円くらいで見せてくれたら…」なんて思ったりもします。