ヨルダン館は、今や万博の人気ランキングでも常に上位。ぴあの「一押しパビリオン」にも選ばれ、多くの来場者が注目する存在です。

 

私も長らく気になっていたのですが、いつ通っても「入場規制中」で入れず…。前の通路が狭いため、行列自体をつくるスペースがないのが原因のようです。「中国館の裏手を少し貸してくれたらいいのに」と、何度思ったことか。

 

そんな人気のヨルダン館に、ぴあの特集が出る少し前に、ようやく訪れることができました。

 

 

  朝ダッシュでヨルダン館へ!

 

この日は平日に休みをとり、万全の準備で挑むことに。東ゲートの方がヨルダン館には近いのですが、入場手続きに時間がかかるという話もあって、かなり早朝から並ばないといけないのではと判断し、西ゲートを選択。8時20分頃にゲートに到着しました。

 

9時20分すぎにゲートを通過し、そこからひたすらヨルダン館を目指して歩き続け、9時35分に到着。……が、すでに入場規制中。えぇ……この時間でもうダメなの?と思わず絶句。

 

でも、ここで諦めては何のために早起きして来たのか分かりません。係員さんの動きをじっと観察し(もはやストーカー)、列が動き始めて制限解除されたタイミングを逃さず、するりと列に合流。これが現状では唯一の突破口かもしれません。

 

 

  インタラクティブな展示と赤い砂

 

待機列に並べたのは9:50、入館は10:20頃でした。中での滞在は15分ほど。意外と回転は速い印象です。入り口は建物の北側にあり、待機列がパラソルの下や建物の影に入るところまですすめば、直射日光を避けられて少しラクです。

 

中では、まずヨルダンの歴史や都市についての説明を受けます。面白かったのは、火打石をたたくと壁のアラビア語が日本語や英語に翻訳されて浮かび上がる仕組み。火打石は音の違いもあって、ちょっと遊び心あります。

 

 

そして名物、赤い砂の展示へ。靴を脱いで、できれば裸足で体験を。サラサラの感触に驚きました。湿気の多い日本でもこのクオリティを保ってるってすごい…。この砂漠のシアターでヨルダン紹介の映像を観て終了。シンプルですが、体験型の仕掛けが効いていて満足度は高めです。

 

 

 

  並べない!混雑回避が最大のハードル

 

展示そのものは満足。でも「並べない」というストレスは大きいです。雑誌で紹介されたことで、さらに人が増える予感しかしません。ショップの砂アート売場も、いつも長蛇の列ですね。

 

もう、提案したい。靴は館の外で脱がせて、袋などに入れて持ち込む形式にしたほうが、時間が短縮されると思います。映像もグループごとに区切るのではなく、自由に入って自由に出られるスタイルにすれば、より多くの人が体験できるのではないでしょうか。もちろん、そのぶん展示としての満足度が下がるでしょうが、多くの人の一番の目的は“砂を踏むこと”だと思うので。

 

 

  体験価値は高い、でも戦略が必要

 

展示そのものは本当に素晴らしいのですが、やはり「並べない」ことが最大のハードルです。現状では、ダッシュと粘り強さ、そしてタイミングの見極めが求められます。待機列の解除は遠巻きに見守るしかなく、うっかり近づきすぎると係員さんに注意されてしまうことも…(係員さんも、毎日、来館希望者に説明したり、注意したり、本当に大変そう)。かといって離れすぎると、列が動いた瞬間に乗り遅れてしまうという難しさもあります。

 

 

それでも、あの砂の感触と空間体験は唯一無二。

ぴあで「一押しパビリオン」と紹介されたのも、たしかに納得です。でも正直なところ、あまり話題になりすぎてほしくなかったかも…という気持ちも。これ以上混雑が加速したら、本当に入館がますます難しくなりそうです。