クウェートって、どんな国?
「石油が出る国」「湾岸戦争があった国」――
正直、私にとってクウェートはその程度の知識しかない、ちょっと遠い存在の国でした。
でも、大阪・関西万博のクウェート館を訪れてみて、印象がずいぶんと変わりました。異国の風景や文化が、思った以上に優しく、あたたかく迎え入れてくれるような展示でした。
入館方法について
クウェート館は、一定の人数がまとまって入館するスタイルです。
地図では緑色のエリア:エンパワーリングゾーンの「P27」に位置します。
外には列ができていても、定期的に列が一気に進むため、見た目よりも待ち時間は短く感じるかもしれません。並んでいる途中の壁にも楽しい写真を撮れる絵が描いてあったりして、配慮を感じました。
日中は予約制ですが、夜間は予約不要で入れる時間帯もあるようです。
放たれる導きの光 ― クウェート館のテーマ
クウェート館のテーマは、公式サイトによると「先見の明かり」。
伝統と文化、そして革新の融合をテーマに、クウェートという国の多面性と未来へのビジョンを表現しています。
建築は、高い天井や透明な屋根を備え、複数の層が重なったような独特のシルエットが特徴。光や空気の流れを活かした設計で、先進的なテクノロジーと自然が融合した空間になっています。
球体スクリーンで見る、クウェートの歴史
最初の部屋では、大きな球体スクリーンにクウェートの風景や歴史が映し出されます。
映像の内容は、過去から現代に至るまでの歴史や自然環境など。映像にあわせて部屋に風が吹いたり、太陽が照りつけるシーンでは熱いライトが当たったりと、体感型の演出もありました。
クウェートという国を身近に感じるきっかけになる導入部でした。
砂の美しさに驚く ― サラサラの質感を体験
次のゾーンでは、実際の“砂漠の砂”が展示されています。
粒が驚くほど細かくて、サラサラ。触ってみたくなる質感です。
今では開発が進み、こうした砂が広がる地域は徐々に少なくなってきているそうで、貴重なものなのだと感じました。
砂のうえに海の生き物。ちょこちょこ動き回ってかわいいです。
その次の部屋では、子どもたちが思わず笑顔になる“滑り台”も設置されていました。
展示のなかに遊びがあるって、ちょっとびっくり。
寝そべって見上げる映像 ― クライマックスの「ドーム」空間
最後のゾーンは、「ドーム」と呼ばれるクライマックスの空間。楕円形の天井に映像が映し出される構造です。
少し硬めの石のようなベンチに寝そべって、天井を見上げるスタイルになっていて、なんだか砂漠の夜空を眺めているような感覚?
ここでは命をテーマにした映像が流れていました。音響の関係か、私には内容がうまく聞き取れませんでしたが、美しく印象的な映像でした。
子どもにとって、特別な体験になるパビリオン
クウェート館は、子ども連れにとってもとても優しい設計になっていました。
入館時に子どもが記念品(塗り絵)をもらえたり、スタッフの方が笑顔でハイタッチしてくれたりと、やさしい雰囲気に包まれています。
こういう細やかな配慮があると、子どもにとって「楽しい思い出」になりますよね。
一緒に行った子どもは「また行きたい」と何度も言っていました。
砂漠の国の、あたたかな“いのち”の物語
「クウェート=石油の国」という先入観だけではわからなかったことが、このパビリオンにはたくさん詰まっていました。
展示のスケールはけっこう大きく、見応えのある構成でした。石油や砂漠といったイメージだけでなく、近代的なビル群なども登場し、「オイルマネーで潤っている国なんだなぁ」と実感する部分も。
その一方で、“あたたかさ”がぎゅっと詰まっていて、心に残る体験でもありました。
▶ クウェート館公式サイト:
