こんにちは。
2025年の大阪・関西万博に向けて以前からアナウンスされていたTOPPANホールディングスの多言語翻訳アプリ「EXPOホンヤク」が、1月29日にリリースされました。
このアプリは、日本語を含む30言語に対応し、来場者同士やスタッフとのコミュニケーションをスムーズにしてくれるとのことです。
プレスリリース:
「EXPOホンヤク」のここがポイント
最近はいろいろな自動翻訳機がありますが、この「EXPOホンヤク」の特徴は、大阪万博関連の専門用語約1,200語が事前に登録されていること。
これなら会場で「え、これなんて言うの?」となってしまう専門用語も安心かも。さらに、スタッフ向けには定型文登録や会場マップ、アナウンス再生機能など、便利な機能がしっかり盛り込まれているそうです。
音声認識がメイン機能ですが、テキスト入力にも対応しているので、使い方の幅が広いのが嬉しいですね。
翻訳エンジンは日本語ベース!
機械翻訳の世界では、翻訳エンジンの性能によって訳文の精度が大きく左右されます。エンジンによっては日本語⇔英語は高精度でも、他の言語間ではそうでもないということがありますよね。
そんな中、「EXPOホンヤク」の日本語から多言語への翻訳には、NICT(国立研究開発法人情報通信研究機構)の翻訳エンジンが採用されています。NICTといえば「みんなの自動翻訳」で有名ですが、日本語を基盤として開発されているだけあって、日本語から他言語への翻訳精度が高い印象です。
私自身、翻訳アプリの「実用性」が気になりがちなので、NICT製エンジン採用と聞くと安心感があります。日本語をベースにしているからこそ、他のエンジンよりも質のよい日本語訳が出てくるのではないでしょうか?
実際に使ってみた!
物は試し、ということでさっそく「ミャクミャクのグッズが買えるショップはどこ?」と質問してみました。
万博関連の専門用語を登録してあるだけあって、日本語→英語ではしっかり「ミャクミャク」が出てきました。一方、中国語では「ミャクミャク」が飛ばされています…。もしかすると、中国語の用語ベースには「ミャクミャク」が入っていないのかも。哀れミャクミャク。
アプリは随時アップデートされるということなので、時間をおいて試すとまた違う結果が出るかもしれません。
中国語の音声認識は厳格
続いて、「在本届世博会上最受关注的是哪些展馆(今回の万博で注目されているパビリオンにはどんなものがある?)」と聞いてみました。
このアプリ、中国語の音声認識がけっこう厳しくて、「n」と「ng」の発音の違いをしっかり区別しないと、別の単語として認識されてしまいます。「展馆(zhanguan)/パビリオン」のつもりが、「掌管(zhangguan)/支配人」と変換されるなんてことも(泣)。
でも、ある意味「キビシイ先生」として発音を矯正できるのは良い点ですね。Google翻訳などは多少発音が適当でも拾ってくれるのに対し、このアプリは正しい発音を求めてくる印象がありました。
日本語を基点としない翻訳は微妙なことも?
続いて、日本語→英語、日本語→中国語、中国語→英語と試していってみると、日→英、日→中の翻訳はかなりいい感じですが、中→英では「この展覧会の見どころはどこ?」といった訳が出ていました。
これは、機械翻訳あるあるかもしれません。本来なら「A=B、A=C ならば B=C」というふうに訳してほしいところですが……。おそらく中→英は翻訳エンジンが異なるのかな、と思います。
翻訳アプリの活躍シーンは?
「EXPOホンヤク」、とても便利そうですが、どれだけの人が実際に使うのかは正直疑問もあります。万博会場で外国人と頻繁に会話するイメージが湧かないし、スタッフも基本的には日本語を話せるはずなので「翻訳アプリの出番がどれくらいあるのか?」というのは気になるところです。
もちろん海外から来る方には役立つシーンも多いと思いますが、最近はスマホで事足りることも多いですし、どの程度普及するかは未知数ですね。
そして、スマホの中をスッキリさせたい私としては、また万博関連アプリが増えちゃったなぁ‥と、ちょっとため息。
EXPOホンヤクで万博をより楽しもう
とはいえ、「EXPOホンヤク」は万博を楽しむための力強いサポートになりそうです。日本語→他言語の翻訳精度が高いのはもちろん、音声認識機能も“発音矯正ツール”として使えるなど、新たな発見がありました。
ただし、日本語以外の言語間(たとえば中国語⇔英語)では、まだ改善の余地があるかもしれません。いろいろ試行錯誤してみると、翻訳アプリの奥深さが改めて感じられますね。
万博が始まれば、こういったツールがどう進化していくかも見ものです。興味があれば、ぜひ公式サイトで最新情報をチェックしてみてください!