ずっと心配していることがあります。
それは、いつか来るであろう、退院の日の事です。
皆さんはきっと呆れるでしょうが、私がいつも考えていることを、どうぞ聞いてやってください。
一昨日のこと。
手術のために病棟を移ると決まった時、助手さんたちや、看護師さんたちが、みんな手を振って送り出してくれました。
それが、たまらなく悲しい。
「早く帰ってきてね!」
「そうじゃないと、馬鹿話する相手がいなくてさみしいよ」って。
そして、以前いた病棟に行ったら、「1日なんて言わないで、ゆっくりしていけばいいのにー!向こうはどう?」って。
普通に生きていて、こんなにみんなに声をかけてもらえる事なんてあるでしょうか。
そして、今日帰って来た時、たった1日だったのに、廊下で会う看護師さんやら助手さんが、みんな口々に「おつかれさま!おかえりなさい!どうだった?」って声をかけてくれて。
普段、会社などに属していない私は、こんなに人に声をかけてもらうことはありません。
いや、会社員の方だって、社内でこんなに声をかけられる人はごく僅かでしょう。
それはもちろん、私が治療中だから。
周りにいるのが、それを治療する先生や看護師や助手だから。
気にして当たり前、声をかけて当たり前。
それが仕事の一環だってことくらい、わかっています。
でも、24時間をここで過ごし、助手さんと馬鹿話をして笑ったり、リハビリの先生に愚痴ったり、看護師さんに慰められて涙を流したり…
そんな24時間を2ヶ月も過ごしたら、これが当たり前になってしまいました。
ここは、長くいるところじゃありません。
早くケガなんて治して、1日も早く帰らなきゃ。
そう思う気持ちに変わりはないけれど。
でも、この楽しい毎日は、1度失ったら、2度と手にすることは出来ません。
卒業した母校に訪ねるように、ここに戻ることは許されないのです。
そして、ここで仲良くなった人達(看護師、助手、リハビリ先生)とも、2度と会うことは無いでしょう。
個人的な付き合いなんて、きっとあり得ない。
わかっています。
私が退院したら、そこに次の人が入ります。
看護師さんはその人を慰め、助手さんはその人と馬鹿話をして、その人がリハビリを受け…。
ワタシなんかまるで最初からいなかったように、時が流れていくことを。
みんなの記憶からも消えてしまうことを。
それが、たまらなく悲しい。
さみしいです。
治療が終わり、リハビリが終盤に近づくにつれ、カウントダウンが私の中で始まります。
その数字はまだ大きいけれど、確実に毎日1つずつ減っていきます。
残りの1日1日を大切にしようと思うけど、病室でのおばあちゃん達とのつまらない会話に時間を取られるばかり。
おばあちゃんたちに用事はありません。
私が本当に話したいのは、この人達じゃない。
念のために書きますが、私には家族も友人もいます。
みんな大切な人たちです。
でも、それとは違うんだなあ…。
皆さんの中で、ご自身が入院して、そんな気持ちになったことがある方、いらっしゃいませんか?
同室のお仲間じゃなくて、そこで働く人たちとの事です。
もしいらしたら、ぜひコメントお願いします!
もちろんいつも通りご意見もお待ちしています。