春休み中、夫が子どもたちを連れて義実家に行ってくれた日。



ハピハピ1人時間である。



家からバス停まで歩いていたら10円が落ちていたので拾った。


バスに乗り市内中心部へずっと面倒臭くて後回しにしていた用事を済ませに出た。


バスを降りて道を歩いていると、今度は小銭が数枚落ちていた。


通行人はいたが皆素通りである。


スマートな大人は落ちている小銭なんて拾わないのかもしれない。私は拾う。1円一枚でも拾う。


子どもの頃にみんなのうたで見てたいちえんだまのたびがらすの1円玉が可哀想だったから。
それが忘れられなくて拾ってしまう。



落ちていたのは10円2枚くらいと1円玉が数枚。


少し目線を先にずらすと、今度は100円玉が数枚。


さらにその先にも小銭の集まりが見える。


さすがの私でも妖怪小銭拾いババアと化した自分が少し恥ずかしくなり始めたが、ここまで手を出したら全て拾いきらないといけない気がしてきた。何かが試されている。



5mほどだろうか、ドングリを拾うメイちゃんのように屈みながら全てを拾い集めたら1200円くらいになった。片手に余る。



すると道の向こうからおじいちゃんが来て、

ほれ、これあんたのか?

と、追加で200円渡された。



ジャラジャラの小銭と自分の欲でポケットが重たかったので、最寄りの公共施設に寄って全てを募金箱に入れた。


交番に届けるのが正解だったのか?


小銭を拾った時の正しい対処法が未だによくわからない。





しばらく歩くとどこからともなく桜の花びらが舞い飛んできた。

近くを見ても桜の木などない。

しかし次から次へと桜の花びらが舞ってくる。

見回したらさっきは建物の陰で見えなかったが、時間貸し駐車場の向こうに桜の木のアーチが見えた。



古い雑居ビルの間にそこだけ桜が満開で花吹雪を散らしていてとても綺麗だった。


ああ、お稲荷さんか。


あのお稲荷さんの入り口の木は桜だったのか。


せっかくだから寄っていこう。





満開の桜の花びらの下をくぐって





お参りをしようと近づいたら








ピクリとも動かないから賽銭箱に近づくまで全然気が付かなかったよ不安🐈



さっきの小銭はお稲荷さんのお賽銭にするべきだったのだろうか。






という、なんか色々不思議な、



微妙に非日常だった日。