朝方まで飲み続けた玲哉なんだが…夕方までいつの間にかテーブルの上に顔を置いて寝てた。
「ん…頭いた…」
目を覚ましてそう言いながら頭を手で押さえる
(…あ、練習の時間が過ぎてる…。まぁあいみんに一応連絡したから大丈夫か) 
そう呟いて、立ち上がって事務所に行く準備をした
(このリスカ…隠しなきゃやな…)
玲哉は昨日やってしまった傷を隠した
「よし…っと、行くか…。だるいなぁ」
準備を終わった玲哉は重たい足でバイクまで向かった
「…ほんま、なにやってんのやろ…こんなことしても意味無いのにな…」
外に出た玲哉はバイクに乗ってふっと腕を見つめた
(稲坂さん達にバレないようにしなきゃやなぁ…)
玲哉はそんなことを考えながらバイクで事務所に向かった
ーーー事務所前にてーーー
(あー…来ちゃった…。行きたくないなぁ…。でも…リーダーになった、から…行かんとな)
玲哉は深呼吸してからレッスン室のドアに手をかけた、その時、中から話し声が聞こえた
「薄塚、おそいな…」
「昨日、電話したけどさ遅刻する、だけ言ったからな…」
「今日からリーダーやのに…大丈夫なんか?玲哉のやつ」
「…そうだね。なんかあったんじゃね?」
と他メンが話してる中、玲哉は
「……」
(中に入りづら…)
と心の中でそう呟いてまた深呼吸してドアを開けた
「あ!きた!」
ドアを開ける音を聞いた愛美は振り向いた
「リーダー遅いで?何してたんや?」
響葉はそう言いながら玲哉の所に行った
「…来たんだ…来ないで良いのに…」
少し離れてた葵唯は舌打ちして小声でそう言った
「……」
稲坂は黙って玲哉を見つめてた
「あー、用事があっててん、それで遅くなって。ごめんな?みんな。初日からリーダーが遅刻してて」
玲哉はそう言いながら反対の手で頬をポリポリと掻いた
「いや、ええよ。リーダーなしでも、俺たちはやれることはやってたから」
「うん。そうだよ。さぁ、薄塚が来たし!練習しよ〜!みんな」
「……」
「…はぁ…」
そして玲哉たちはつぎの公演の練習をし始めた
ーーー練習中(最後の練習ーーー
(激しい動きしたら…見えちゃう…)
玲哉は心の中でそう呟いて袖を握りながらダンスの練習した
「……薄塚」
稲坂はついつい練習中に玲哉の方を見てボソッと呟いた
「…変だよね、あいつ」
愛美は稲坂にそう耳打ちをした
「…あぁ。なにがあったか知らない?」
練習しながら稲坂は愛美にそういった
「いや、深夜に電話したけど、声色が変だった」
こんなやり取りしてる中、玲哉は
(大丈夫…ばれて、ないよね…)
そう心の中で呟いて何故か汗だくに
「はーい。今日はここまで!みんなお疲れ様!」
とレッスンの先生は手を叩いてそう言った
「お疲れ様した!」
「「「「お疲れ様でしたぁー」」」」
「ふぅ…」
それぞれのメンバーは休憩した
(…やべ、血が滲んできた…)
玲哉はふと腕をみたら絆創膏から血が滲んでいた
「ちょっと俺…トイレに行ってくる!戻ってきたらまた練習するで?」
玲哉はそう言ってニコッと笑いトイレに行った
「やっぱり変だよな…」
トイレに行った玲哉に愛美はそう言って顎に手を当てる
「原因、は分かってるんだが…」
稲坂はそう言ってため息ついた
「やっぱ、世良?それとも西園寺?」
「どっちも、だなぁ…」
「ふーん?じゃあ、様子見に行くよ」
稲坂の顔色を見て愛美はそう言いながら玲哉の所に行った
ーーートイレにてーーー
「やばいな、替えないと…」
手の手当てをしてた玲哉は焦ってた。するとトイレのドアを誰かが開けた
「玲哉、だいじょbっ…」
愛美は玲哉を見つけて近づきながらそう言った
「……っ?!あ、あいみん…大丈夫大丈夫。ちょ、ちょっと…目眩が…」
 玲哉は愛美が近づいてるのを驚いて焦りながら手を隠した
「…何、隠した?あんた」
愛美は玲哉の前で立ち止まる
「な、何も隠してへん…さ、先に戻って」
ニコッと笑いながらそう言った玲哉だが
「……」
玲哉にそう言われても戻らず黙り込んで見つめた
「な?俺も少ししたら…もどrっ」
玲哉はそう言った瞬間、愛美が玲哉の腕を掴んで上にあげた
「……なにこれ」
愛美は玲哉のあげた腕をみて驚いて玲哉にそう言った
「な、なんでもない!離して」
腕をあげられた玲哉は振り払って隠した
「…ふーん?なんもない、ねぇ…。嘘だよね?あんたらしくねぇ」
愛美はそう言いながら見つめる
「…あいみんにはカンケーないやろ…!」
玲哉は目を逸らしながらそう言った
「いやぁ〜、うん、まぁ関係ないよ?俺には」
愛美はそう言いながらニコッと笑う
「せやったら…っ!」
玲哉は悲しそうな顔でそう言った
「アイツらに何言われたか俺には関係ない。けどな、玲哉…」
そう言いながら愛美は玲哉を壁に追い詰めた
「…なんやねん。あいみんには…」
「僕は玲哉がこんなことするなんて…悲しすぎるよ?やめて欲しいな?」
愛美は玲哉の目を見つめて柊翔の声真似をした
「…ちょ、やめぃ…その声…」
そう言った後、愛美の手をべしっと叩いた
「もうやめて?それするなら…許さないよ?お前のファンが心配するじゃん?やめな?ね?」
愛美は真面目な目で見つめた
「…あんたらに、あんたらには…分からへんやろ…どんな気持ちで…っ」
そう言って玲哉は愛美を押し付けた
「…うーん。どうすれば、辞めてくれるわけ?」
ため息をついて愛美は、見つめた
「…やめない…」
無理やりに笑いながらそう言って玲哉は愛美をこの場に残してみんなの所に戻った
「ちょっ、まっ…あ、行っちゃった…」
(はぁ…。めんどくせぇことになったな…。一応報告しますかね…)
愛美は心の中でそう呟きながらどうするのか考えてからみんなの所に戻った
「あ、やっと、もどった!あいみん、ほら練習するで」
なんもなかったように玲哉はそう言って愛美の腕を引っ張った
「あ、ちょっと…まだあんたには話が…っ!」
愛美はそう言ったが玲哉は話を遮った
「それより練習やで、あいみん。ね?」
「……はぁ」
そう言った玲哉はニコッと笑い、みんなと残りの練習をした
ーーー練習終わりーーー
「あ、稲坂さん…ちょっと」
それぞれの場所でみんなは休憩してる中、愛美は稲坂を手沼きをした
「え、あぁ、今行く」
声をかけられた稲坂はそれを気づいて愛美の所へ行った
「休憩中、玲哉の所に行ったんだけど…凄いこと見ちゃった」
レッスン室の外に出た稲坂と愛美。そこで愛美は階段のところに座って稲坂にそう言った
「凄いこと?」
稲坂は首を傾げながらそう言った
「そう、これ」
愛美はそう言いながら自分の腕に指を横になぞる
「……は?え?」
それを見た稲坂は言葉にならないくらいに驚きを隠せなかった
「マジで。ビックリだよ。まさかあの野郎がやるなんて」
愛美はそう言いながらため息をついた
「…え、俺のせいだ…。昨日家まで行ったのに…そのまま帰らなかったらそんなことさせなかったのに」
稲坂はそう言いながら頭に手を当てた
「俺は話したからね?止められるのは稲坂さん、あんただよ。任せるわ」
そう言った後、愛美は立ち上がってレッスン室に戻った
(はぁ…そっか。薄塚…そこまで追い詰められてたのか…)
この場に残された稲坂は心の中でそう呟いて稲坂も戻った
「じゃあ、俺はもう帰るで…!みんなお疲れ様!」
そう言って玲哉は先に帰った
「おぅ。お疲れ様ー玲ちゃん」
「さあて、俺も帰るとしよ。瑠依が待ってるしな」
「稲坂さん、あとはよろしく。」
と愛美は稲坂にそう言った後、この場を去ってしまった
(…また、薄塚のとこに行くか…)
と稲坂は帰る準備して、そのまま玲哉の所に向かった
「居るんだろうか…居留守するだろな……」
玲哉の家に着いた稲坂はドアの前でチャイムを鳴らそうと迷ってた
(でも少しだけ話聞かなきゃだなぁ…)
稲坂は心の中でそう呟いて深呼吸してからチャイムを鳴らしたが、やっぱり玲哉は出なかった
(やっぱり…か。どうしようかね…)
稲坂はもう1回チャイムを鳴らした。するとガチャとドアを開けた
「はぁ…やっぱりあんたかいな…、稲坂さん…何の用なん?」
ドアを開けて玲哉は不機嫌そうな顔してそう言った
「居留守してたんだね?様子見にきた。悪いかい?」
そう言いながら稲坂は首を傾げた
「悪い。今誰とも話したくないんや。だから帰って?」
玲哉はそう言ってドアを閉めようとした
「ダメだよ。今日は帰らない、1人にさせたらまたやるんでしょ?響から聞いたんだ。言わなくてもわかるだろう?」
稲坂は閉めようとしたドアをガシッと掴んでそう言った
「…は、はぁ?あいみんに何言うてたか分からへんけど、帰って」
「今日は君がやらせないために俺は居る」
そう言いながら稲坂は玲哉を部屋に押し付けて、自分も入った
「ちょ、何してんねん…っ!稲坂さん!」
勝手に部屋に入られて玲哉は驚いた
「それに…この腕、だめだよ。自分の体を大事にして?薄塚」
そう言いながら稲坂は玲哉の腕を掴んで見つめた
「……っ」
そう言われた玲哉はなんも言えなくなって目を逸らした
「…ね?やめて?そういうことするの…おじさん、悲しいからさ…」
目を逸らしてる玲哉に稲坂は玲哉の顔を自分の方に向かせて悲しそうにそう言った
「…あんたに関係ないやろ…。自分の体なんてどうでもええやろ…」
玲哉はそう言って稲坂の手をベジッと叩いた
「でも、俺らもファンちゃん達も心配するよ。それは嫌なんでしょ?…やめて、欲しいんだ」
稲坂はそう言いながら見つめてた
「……わかった。わかったから、そんな顔するなや…」
(こう言えばグチグチ言わへんやろ…)
玲哉は口はそう言いながらも心の中ではそう呟いた
「…本当かい?やめる?」
「うん、辞めるよ。稲坂さんに言われたら、ね…うん。」
稲坂にそう言われて作り笑いをしてそう言った
「……それ、嘘でしょ?君がその笑顔するのは嘘をついてるってことだから」
玲哉の作り笑いを気づいた稲坂は真っ直ぐな目で見つめた
「……」
また玲哉はなんも言えなくなって黙り込んでしまう
「だから、今日は泊まることにする。また自分の体を傷つけたらこっちが…」
(みんなに怒られる…阻止しないと)
そう言いながら稲坂は玲哉をベッドに寝かせた
「ちょ、なに…いつもなら柚雪がいるからって言い訳してたくせに…今更なんやねん…っ」
そう言いながら玲哉は稲坂にぶつけた
「そうだね。今回は仕方ない。好意を無駄にしないでくれよ」
ニコッと笑いながら稲坂は玲哉の隣に横になる
「……もう、勝手にして…」
玲哉はそう言って反対側に向いた
「ん?なんで反対側に向いてるの?今日は甘えさせてあげようとしたのに、そんなこと言うんだ?」
稲坂は普段、玲哉に言わないことを言ってしまう
「…は?」
玲哉はそう言って稲坂の方を見た
「ん?なんだい?変なこと言った?俺」
ニコッと笑い、そう言って首を傾げた
「…いや、だって、普段それ言わないやんか」
そう言いながら玲哉は首を横に振る
「ほら、薄塚」
と言いながら稲坂は両手を広げた
「……でも」
玲哉はそう言って遠慮をしてしまう
「いつも、俺に遠慮せず抱きついてたのに?」
そう言いながら稲坂は首を傾げた
「それを言うならあんたもやんけ…いつもダメって言うてるのに」
「今回は、特別。ほら来なよ」
と言いながら玲哉の腕を掴んで抱きついた
「ちょ、やめぃ…っ」
「良いから良いから、今日は甘えて?玲哉」
そう言って稲坂はぎゅーと抱きつき続ける
「…あんたっていう人は…なんでこんな時だけ優しいんや」
玲哉はそう言いながらも稲坂の服をギュッと握ってた
「さぁな。でもこれがおじさんのウリだからねぇ。」
稲坂はあははっと笑ってそう言った
「……そう」
(稲坂さんには…しないて言うてたけど…無理やよね…)
玲哉は抱きしめながら心の中でそう呟いた

玲哉は稲坂には辞めるって言ってたが…どうなんだろか?