「…はぁ。なんで引き止めんかったのかな…」
柊翔が葵唯の所に行ってこの場に残された玲哉はぼそぼそと言いながら歩いてた
「…でも、また葵唯に殺られるのごめんやな…」
と玲哉はそう言ったあと、笑う
「あれ、玲哉じゃん」
そう言ったのは…
「稲坂さん…。いっつもなんで落ち込んでる時にあんたに会うんや?」
そこには稲坂がいた
「…はい?落ち込んでたのかい?どうした?」
稲坂は首を傾げた
「…はぁ。べつに?ちょっとな?」
そう言いながらニコッと笑い、頬をポリポリと掻く
「……柊翔、のことでしょ?玲哉はそんな顔するのって大体、柊翔のことだから」
稲坂はまっすぐな目でみつめた
「稲坂さんにはわかるんよな…」
(なんでいつも稲坂さんに…バレるんやろ…?)
玲哉はそう言って苦笑いした
「で?なんで落ち込んでたの?会ったとか?」
そう言いながら玲哉を見つめ続けた
「んー…。稲坂さんに言うたら怒るやろうし、言わんよ」
そう言ったあと玲哉はニコッと笑った
「言わないってことは…また悪いことしようとしたの?」
(…でも、とどまったってことだよね?成長だな)
そう言ったあと稲坂は玲哉の顔を取った
「…まぁね、でもやめた…。ねぇ、稲坂さん?♡♡」
玲哉は悪い顔をして稲坂の首に手を回した
「…なんだい?玲哉」
稲坂は玲哉が自分の首に手を回されたことに驚く
「今度こそ…俺を慰めて?賢久さん♡♡」
甘い声で稲坂を誘った
「ダメだよ。俺には輝春がいるから」
冷静にそう言って玲哉の腕を外す
「…だめ?賢久さん…ええ加減に…1回くらい慰めてや…」
そう言って玲哉は誘い続けた
「…はぁ、何回も言ってるだろう?玲哉」
誘われた稲坂は首を横に振る
「柚雪にバレへんよ?1回だけじゃ…♡♡ねぇ?ええやろ?賢久さん」
玲哉は稲坂の耳元に近づいてそう囁いた
「…ちょ、だめだって。玲哉…」
稲坂は、そう言ったが
「なんも聞こえなーい♡♡」
と言って玲哉は稲坂の腕を引っ張って近くのホテルに入った
「ちょっと!れ、玲哉!」
腕を引っ張られてホテルに連れかれた
ーーーホテルにてーーー
「1回…ヤろ?賢久さん…」
そう言いながら稲坂をベッドに押し倒して馬乗りする
「だから、シないよ。言ったろ?玲哉。そういうのはシないって」
冷静にそう言ってるが内心は戸惑ってた
「1回だけやんか…。それに明日アイツは卒業するんよ?」
玲哉は見下ろしながらそう言った
「だからなに…?それがどうした?」
稲坂はそう言われて少しずつ戸惑いながら見つめる
「会わんくなるんよ?せやから…ヤってもバレへんやん?」
玲哉はそう言いながら稲坂の頬を触る
「…玲哉、やめとけ。そんなこと言われても…ヤらない」
(なんで、おればっかなんだ…?)
そう言って稲坂は少し睨みつけた
「…あら…?ほんまかなぁ?」
玲哉は稲坂にそう言いながら下の方に手を伸ばした
「ちょっ、なにしてるんだい!やめたまえ…///」
稲坂は焦って稲坂は玲哉の手を掴む
「…ふふ。辞めろ?辞めるわけないやろ…?♡」
と言って玲哉は稲坂の手を押えた
「……っ///」
(力強い…振り払いたいのに…)
玲哉に手を押えられてびっくりしてた
「ね?賢久さん♡♡ヤろ?」
そう言ってどこかさみしそうな表情で玲哉はキスした
「んんっ!ちょ…やめ…」
稲坂は抵抗してたが
「そんな抵抗したら明日出れんくなるよ?ええの?」
玲哉は低音でそう言って脅した
「……玲哉やめてくれ。お願いだ…」
(これ以上、好きにさせたら…俺…)
稲坂は辞めるように懇望した
「…なんで、そんなに嫌なん…?こんなに頼んでるのに…なんで…俺やないの…?教えてや!柊翔…っ!」
玲哉は嫌がる稲坂を見て自分の気持ちが抑えられなくて稲坂にぶつけた
「玲哉…落ち着けって…」
(自分の気持ちが抑えられなくなって暴走し出した…落ち着かせなきゃ…っ)
稲坂はそう言いながら玲哉の肩を掴んだ
「俺の方が先に好きなってたのに!なんで…葵唯なん…?!もう嫌や…消えたい…っ!」
稲坂の言うこと聞かず、玲哉はぶつけ続ける
「ちょっと!玲哉!落ち着いて!」
稲坂は起き上がってそう言いながら玲哉を抱きついた
「離してや!稲坂さんには分からへんやろ!どんな…どんな気持ちでおるのか…分からへんやろ!もう嫌や…っ」
そう言いながら玲哉は稲坂に突き飛ばして服を掴んだ
「…玲哉」
そう言った瞬間
「俺なんかおらんくてもええんちゃうの?!カップルばかりで、もう…うんざりや!あんたらも…イチャイチャしてるところを見るのもうざい!にこにこすんのもう疲れた…っ」
玲哉は今までの隠し続けた鬱憤を吐いた
「……」
稲坂はなんも言えなくなってみつめる
「俺だってな!幸せになりたいのに…あの二人別れちゃえばええのに…っ!なんで俺だけ…こんな…こんな思いをしなあかんの?!意味わからん!」
玲哉は鬱憤が止まらず吐き続けた
「…玲哉…落ち着いて?」
そう言いながら稲坂は抱きついて背中を撫でた
「あんたらはええよなぁ!そんなに幸せで…幸せで…羨ましい…っ、っ…うっ…」
稲坂に抱き着かれて玲哉は泣き始めた
「…落ち着いて、玲哉。深呼吸して?」
優しい声でそう言って玲哉の背中をポンポンと撫でた
「……うぅっ…なんで俺だけこんな思い…っ」
玲哉は稲坂の胸で泣き崩れて服をギュッと握る
「そうだね…つらいよね…。柊翔のこと好きだもんね…叶わないって分かっても抑えられないもんね…」
玲哉が泣き崩れ続けて、優しくそう言いながらポンポンと撫で続ける
「もう嫌や…!こんな思いするなら…やめたい…」
もうなにもかも嫌になっていった玲哉
「玲哉…そう言わないでくれ。俺たちは玲哉が必要だよ?きっと、柊翔もそうだよ。だから言わないで?」
そう言いながら玲哉の顔を取り、みつめた
「稲坂…さん…。けど、もうやだなの…こんな思いするなら…もう人生おわrっ…」
「こら、その言葉を口にう出したら許さないよ?」
と稲坂は玲哉の口元に手で押えながら玲哉の話を遮った
「……」
稲坂に口に手で押えられて、見つめたが無意識に手をぺろりと舐めた
「うわ…玲哉な…。はぁ…もう落ち着いた?」
びっくりして、手を外してみつめた
「うん…取り乱してごめん。ねえ稲坂さん…もう少し…一緒に…居たい」
稲坂の手を取って自分の頬を当てた
「でも、輝春の家に行かないと…。呼び出されてるし俺」
そう言われた稲坂は玲哉にまっすぐな目でみつめた
「嫌や!今、今は俺のそばにいて…?稲坂さん…」
そう言いながら玲哉は涙目でみつめた
「…そんな顔で見つめないでくれ。わかったから。いるから安心して」
(また取り乱したら、何やらかすかわからない)
涙目になってた玲哉に稲坂は負けた
「稲坂さん…」
そう言って玲哉は抱きつく
「はぁ…いっつもこうなるよな、俺」
(こういうの弱いよね…俺。どんだけお人好しだよ…)
小声でそう言って玲哉を抱きしめ返した
「ごめんなさい…。でもこんな姿、他の奴には見せられへんもん」
(稲坂さんにしか…みせていないし)
玲哉はそう言いながら稲坂に頭を下げた
「ううん、いいよ。俺には素直になってくれて嬉しいから。顔を上げて?玲哉」
稲坂はそう言いながら玲哉の顔を上げてニコッと笑った
「……」
(…やっぱりお人好しや。でも…)
黙り込んで玲哉は稲坂を押し倒した
「なにしてるんだい?玲哉」
冷静にそう言いながら見つめる
「稲坂さん…って、凄い優しいんよな…。俺の事なんて置いて柚雪のとこに行けばよかったのに…なんでそんなに…」
玲哉はそう言って見下ろしてた
「なんでって、玲哉は俺の大事なメンバーだよ?それに薄情な人じゃないよ、俺は」
ニコッと笑いながらそう言って玲哉の顔を触る
「……ほんま、分からへん…」
そう言って稲坂から離れて横になる
「何が分からないの?」
首を傾げながらそう言った
「俺は稲坂さんの事、襲いかけたんよ?逃げたことが出来たはずやで?やのに…」
玲哉は稲坂を見つめながらそう言った
「…玲哉があんな顔するからだろう?放っておくのはちょっと俺にはむりだからね…」
稲坂は玲哉の頬を引っ張りながらそう言った
「そ、それは…1人になりたないもん…」
「…だから、いるじゃん?」
稲坂はニコッと笑う
「稲坂さん…ありがと。いつもこんなやつの事、優しくしてくれて」
そう言いながら稲坂を抱きついて唇にちゅっとした
「んっ、ちょっと!それはだめだよ。わかった?」
キスされてびっくりしたが、頭を撫でる
「ええやん…すこしくらい…。減るもんやないし♡♡」
玲哉は舌を出して悪い顔してた
「…帰った方が良かったかもおれ…」
稲坂は困惑してため息する
「そう言わんといてよ…賢久さん♡」
そう言いながらニコッと笑う玲哉
「その呼び方やめてほしいな…。でも、気が済んだら帰るからな?」
そう言って稲坂は少し呆れ顔になってた
「……そやね。」
(これ以上、稲坂さんに迷惑かけてしまうな…)
そう言って玲哉はニコッと笑う
しばらく2人は過ごしてた
ーーー数時間後ーーー
「ん…んん〜…あれ…玲哉?」
いつの間にか稲坂は目覚めて隣にいるはずの玲哉の姿がなかった
「…え、どこ?玲哉」
起き上がった稲坂はテーブルの上を見る
「…玲哉のやつ…」
テーブルの上には置手紙とお金が置いてあった。置き手紙には【稲坂さん、ありがと。そしてごめんなさい…。玲哉】と書いてあった
「…これまるで、俺の事探さないで、じゃん…。え、どうしよ…。探しに行きたいが…、輝春に…連絡だな、まず」
と言って稲坂はケータイを取り、柚雪に電話し始めた
『稲坂さん…っ?!』
3コールで柚雪が電話でた
「あ、もしもし?輝春?」
稲坂は普通に話し始めた
『もしもし?!稲坂さん!?…よかった…。なにかに巻き込まれてたかと…思った。』
柚雪は心配そうな声でそう言った
「あ、ごめんね?ずっと連絡しようとしてたけど…今ちょっとした巻き込まれてるんだ…。だからそっちに行くのが深夜かも…ごめんね。輝春」
稲坂は申し訳なさそうに柚雪に謝った
『…え、何に巻き込まれてるの…?』
震え声で柚雪はそう言った
「大したことないんだ!そこだけは安心して?ね?ちょっとまてて?終わらせてくるから」
柚雪の震えた声を聞いて稲坂は安心にさせるために笑いながらそう言った
『え、あ、わ、わかった…。待ってる』
柚雪はそう言って電話を切った
「よし、これで…探しに行ける…!」
稲坂は急いでホテルの支払いして玲哉を探しに行った
ーーー1時間後ーーー
「…玲哉の家にも、あいつのいつものところにも、いなかった…。え…どこに…あ…っ!もしかして…っ!」
稲坂はあちこち探したが、玲哉はいなくてどこに居るか考えてとある場所にむかった。向かいながら他メンバーに連絡した
ーーー事務所の屋上にてーーー
「…やっぱり、俺は生きていけないんよな…」
柵にもたれかかりながら夜空に手を伸ばした
「人生やめたい…な」
玲哉はそう言ってため息する。すると屋上のドアが勢いよく開けた
「…あっ!いた!早まるな!玲哉!」
稲坂はそう言って近づいて玲哉の腕を掴んだ
「稲坂…さん…?!な、なんで…ここに…」
腕を掴まれた玲哉はポカーンしたがハッと我に戻ってそう言った
「あの置き手紙!意味深すぎるんだよ…すごい探した!」
稲坂は息を切れながらそう言った
「…なんで、来たんや…ドアホ…」
玲哉は震え声でそう言いながらみつめた
「玲哉が心配に決まってるだろう?さっき玲哉が「人生終わらせたい」って言いかけたろ?だから来た」
そう言った後、稲坂は怒り顔した
「…だからって…アホちゃう?このまま放置したら良かったのに…。どこまで優しいん?あんた…」
玲哉はあきれ顔して頭をくしゃっと掻きながらそう言った
「言っただろ?…俺は薄情な人じゃないって。ああ言われたらほうっとくこと出来ないよ」
そう言いながら稲坂は優しく玲哉を抱きしめた
「…ほんま、アホちゃう…?そこまでして、稲坂さんは何になるの?なんもならないやんか…」
そう言った玲哉は優しい言葉に心を痛めた
「…ならなくても、俺は自分がやりたいことをやってる、だけだよ?」
そう言いながら玲哉の背中をポンポンと撫でた
「はぁ…。稲坂さん、柚雪のとこに行かんくてもええの?呼び出されとるって言うてたけど…」
玲哉は稲坂を押し付けながらそう言った
「まずは、玲哉を家に送ってからだよ。輝春のとこに行くのは」
稲坂はそう言いながらニコッと笑う
「家まで送ってくれんの…?こんな奴のために…」
「こんなやつなんて言わないで?ね?」
そう言って玲哉の腕を引っ張って玲哉の家に向かった
ーーー玲哉の家にてーーー
「はい、着いた。今日は!もう出ないでね?玲哉」
玲哉の家に着いた稲坂達は玲哉にそう言って念押しする
「分かっとる。帰るつもりやったし…。稲坂さん、今日はほんまごめんなさい。」
すごく申し訳なさそうに頭を下げた
「いいんだよ。俺がやりたかったからやったまで。玲哉はなんも悪くないよ。じゃあ、明日ね?必ず、来てよ?もし来なかったら…探しに行くからな?」
「行く。だから安心して?稲坂さん」
玲哉はそう言ってニコッと笑い、自分の家の中に入った
「はぁ〜…ふぅ…」
玲哉が自分の家に入ったのを見届けた稲坂は深呼吸した
「…よし、輝春のとこに行かなきゃ…!」
そう言って急いで柚雪の家に向かった